第8話

第六話
190
2021/08/12 11:41
花宮あなた
えー………。
どうしよう、これ。


強引に待たされた白いお皿を見つめながら廊下に立ち尽くす。
花宮あなた
というか、私困ってないし。
でも、いただいてしまったからな……。





私はお皿と一緒に帰宅した。





花宮あなた
要らなかったら捨ててって……




そんなことできるわけないじゃん。




折角だから、とまだ少しだけ温かいお皿にかけられたラップを外し、パスタを口に入れる。








花宮あなた
えっ、おいしい…。





久しぶりに食べたまともな食事だから?



いや、それを抜きにしても、このカルボナーラは私が今まで食べた中でいちばん美味しいと感じた。









あっという間に空になったお皿を見つめながら、さっきの男性を思い出す。










なんだか………






花宮あなた
嵐みたいな人だったなぁ…。





思い出し、ふふっと笑う。





涙は止まっていた。











出会い。

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