第15話

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2021/08/23 06:34

カランッ。
白岩瑠姫
おー、お疲れ〜
河野純喜
お〜い、またお前かー!
午後3時過ぎ、お昼のピークを終えた頃に店に来るのはコイツしかいない。




常連客だった瑠姫と仲良くなって、なんでも話す仲になったのはいつからだろう。






そして、週3はここでこいつの顔を見てる気がするのは気のせいか。



河野純喜
瑠姫は?
仕事終わり?
白岩瑠姫
さっきひとつ終わってまた夜にライブある
瑠姫は地下でアイドル活動をしている。


週3で店にくる暇人、と言いたいがすごく頑張っていることを俺は知ってる。
河野純喜
そうなんや、頑張ってな〜
河野純喜
ってことでこれ!

と、いちごサンドを差し出す。
白岩瑠姫
うおー!これ!これが食べたかったんよ!サンキュー




いただきます、と手を合わせて食べる瑠姫。


こいつ、ほんまに美味しそうに食べんなぁ。





瑠姫の好物であるいちごサンド。

瑠姫が来るときは大体甘いものが食べたいときって知ってるから、何も言われずとも提供する。



これで夜の仕事の糧に少しでもなれば。








白岩瑠姫
ごちそうさまでした

早々に食べ終えた瑠姫は


美味しかった、と言い残して店を出て行った。



河野純喜
嬉しいなぁ
「美味しい」なんて最高の褒め言葉やんか。




お皿を片付けながら俺は、料理人としての喜びを噛み締めた。




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