『いっ…。』
次のファンレターを取ろうとしたら、指を切った感じがした。
紙で切っちゃったのかなって思ったら、カッターの刃の部分が付いてた。
『……ぇ。』
恐る恐る中を開けた。
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あなたちゃんへ
なんで生きてるんですか?
あなたが死んでも誰も悲しみません。
うざいです。
はやく消えてください。
タヒんでください。
関ジュに近づかないでください。
早くジャニーズ辞めてください。
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『……。』
末澤「ただいまーー」
『…あ、おかえり!!』
末澤「…どうしたん?」
『あ、いや、その、ファンレター読んでてらうれしくてさ。』
『あのねあのね、さっき「あなたちゃんは本当にお姫さまみたいにかわいい」って言ってくれてる人がいてん!!』
末澤「そっか、良かったな。」
末澤「俺も、あなたはお姫さまみたいやと思う。」
『…ありがと。』
末澤「…!?」
末澤「え、え、な、なんで泣いてるん?」
『え、泣いてなんか…』
そう言いながら、頬を触ったら冷たかった。
…あれで傷ついてたら相手の思うツボ。
ジャニーズなんて、やっていけない。
けど……
『うわぁぁああん!泣』
末澤「…よしよし。俺が傍におるからな。」
『グスッ…』
『せいちゃん…だいすき。』
末澤「…俺も。」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!