第14話

変化
471
2021/05/10 13:52


松慎くんの教室の前までついて、息をのむ。

謝る勇気があまり無いけれど、泉先輩に言われたんだ。頑張ってみるしかない。






教室のなかを覗くと、松慎くんの姿が。

私は恐る恐るドアの前にたち、松慎くんを真っ直ぐと見て口を開いた。
相原 黎あいはら れい
松慎くn________
松慎 夏芽まつしん なつめ
ごめん!!小林さん
私が松慎くんに話しかける前に、松慎くんが私以外の誰か______小林さんに話しかけた。


さっきと違う、呼び名。


「君」、じゃない。「小林さん」。
松慎 夏芽まつしん なつめ
僕、勘違いしてた。
小林さんの方が・・楽しい気がした
小林 紗瑛こばやし さえ
でしょう?
あんな奴より私の方が良いでしょ?
松慎 夏芽まつしん なつめ
.........
頭のなかが真っ白になった。

松慎くんが言っていることが分からなくて、少しめまいを起こしてしまった。









なんで、さっきは「あんな奴」で否定したのに今は否定をしないの?


「黎ちゃんと食べる方が美味しい」って言ってくれていたのに、今は小林さんなの?


昼休みのときの小林さんへの対応が、真逆。






急すぎる。急展開すぎる。

松慎くんと会ってそんなにたってもいないのになんでこんなことが起きるの?


ストーカーしてたんだよね、松慎くん。





会ったばかりなのにこんなに、振り回されるってどういうことなんだろうか???
相原 黎あいはら れい
...まぁ、いいや。
松慎 夏芽まつしん なつめ
...!?黎ちゃん...!?
ため息と一緒に出た言葉。

どうやら中にまで聞こえてようで、松慎くんが驚いている顔が見えた。


小林さんとも目が合い、小林さんは笑っていた。



_________________


__________


____



相原 黎あいはら れい
あ"ぁ...!!
私も兄一筋にしよっかな...
相原 凌あいはら りん
え?今まで一筋じゃなかったの?
あのあと気まずい空気が漂うなか、私は見向きもせず家に帰った。

そして家に帰ると同時に兄のもとへいく。


...私もブラコン???
相原 黎あいはら れい
一筋じゃないよ。
まず兄のこと気にしてなかったし
相原 凌あいはら りん
いつでも俺のところにおいでよ
ね?待ってるよ
相原 黎あいはら れい
私以外だったらときめいたのかな
兄の言葉に少し冷たく返すと、兄は苦笑。

イケメン台詞を言って頭ポンポン、顔もイケメンだからときめく人はときめくんだろう。

...少なくとも私はときめかない。
相原 凌あいはら りん
ひどいな、黎でもときめくよ
相原 黎あいはら れい
はいはい、頑張ってねー
兄から視線をそらして、ぼーっとする。

スマホに映し出されている15の通知を、私は見て見ぬふりをして消した。

プリ小説オーディオドラマ