聞き間違い?
うん、きっとそうだ。
自分よりも小さいこの前で格好をつけたいお年頃なんだろう。
聞き間違いじゃなかった………
もしかしなくても私、めちゃくちゃ無礼な事したんじゃ………
そしてもうひとつ驚いたことが。
この子、めちゃくちゃ魔力が高いっ!
話は変わるけど、私は前世で、運命の魔女と呼ばれていた。
この世界において、一番力を持つのは言葉。
そして、名前。
私は名前を知ることによって、その人の魔力や運命を見ることができた。
そして、私は人に名前をつけることによって、運命を決めることができた。
それが私が運命の魔女と呼ばれた理由。
まぁ、他にもいろんな魔法が使えたことは使えたんだけど、これが一番得意だった。
そして名前を知ることによりわかったルイツアの魔力。
12万。
これ、私と同じくらいあるんじゃないか。
普通の人はよくて1万~5万程度。
10万なんて1000年に1度レベル。
ちなみに私の魔力は15万。
人の事言えないですね、はい。
あぁ、ルイツアの事をすっかり忘れてた。
え?私覚えられた?
それって目つけられたってこと?
もしかして、詰んだ?
また来るのかぁ~
じゃあ名前覚えとかないと。
ん?
また来る?
…………………はぁぁぁぁぁぁぁぁ?!
バカ!バカ!私のバカ!
つい勢いで返事したけど第1王子とまた会うって明らかに普通じゃないじゃない!
今世では目立たずに「普通」に生きるって決めたのに………
私が「普通」に生きるのは、なかなか難しそうだ。
私は「普通」がいいのにっ!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。