第3話

3話
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2020/07/23 21:00
ルイツア・リラ・マリアネス
僕はルイツア・リラ・マリアネス。
ルイツア・リラ・マリアネス
この国の第1王子だ。
ラナ・リハイント
………いま、なんて?

聞き間違い?

うん、きっとそうだ。

自分よりも小さいこの前で格好をつけたいお年頃なんだろう。
ルイツア・リラ・マリアネス
聞いてなかったのか?
ルイツア・リラ・マリアネス
僕の名前はルイツア・リラ・マリアネスだ。
ラナ・リハイント
いや、そのあと………
ルイツア・リラ・マリアネス
あぁ、第1王子ということか?

聞き間違いじゃなかった………

もしかしなくても私、めちゃくちゃ無礼な事したんじゃ………
ルイツア・リラ・マリアネス
別に、気にしなくていいぞ。
ルイツア・リラ・マリアネス
最初は僕の事を知らないと言われてつい頭に血が昇ったが、3歳児なら仕方がないからな。
ラナ・リハイント
はぁ………

そしてもうひとつ驚いたことが。


この子、めちゃくちゃ魔力が高いっ!



話は変わるけど、私は前世で、運命の魔女と呼ばれていた。


この世界において、一番力を持つのは言葉。

そして、名前。


私は名前を知ることによって、その人の魔力や運命を見ることができた。


そして、私は人に名前をつけることによって、運命を決めることができた。



それが私が運命の魔女と呼ばれた理由。

まぁ、他にもいろんな魔法が使えたことは使えたんだけど、これが一番得意だった。









そして名前を知ることによりわかったルイツアの魔力。




12万。




これ、私と同じくらいあるんじゃないか。





普通の人はよくて1万~5万程度。

10万なんて1000年に1度レベル。


ちなみに私の魔力は15万。


人の事言えないですね、はい。
ルイツア・リラ・マリアネス
どうした?さっきから黙りこんで。

あぁ、ルイツアの事をすっかり忘れてた。
ラナ・リハイント
いえ、だいじょうぶです。
もんだいありません。
ルイツア・リラ・マリアネス
そうか。
それで、お前の名は?
ラナ・リハイント
わたしは、ラナ・リハイントです、でんか。
ルイツア・リラ・マリアネス
ラナ、ラナか。
よし、覚えたぞ。

え?私覚えられた?




それって目つけられたってこと?





もしかして、詰んだ?
ルイツア・リラ・マリアネス
ラナ。またくるからな。
僕の事を覚えておけよ。
ラナ・リハイント
あ、はい。

また来るのかぁ~

じゃあ名前覚えとかないと。








ん?









また来る?





…………………はぁぁぁぁぁぁぁぁ?!

バカ!バカ!私のバカ!



つい勢いで返事したけど第1王子とまた会うって明らかに普通じゃないじゃない!





今世では目立たずに「普通」に生きるって決めたのに………








私が「普通」に生きるのは、なかなか難しそうだ。





私は「普通」がいいのにっ!

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