第2話

2話
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2020/07/23 12:00
ラナ・リハイント
おかあさま、としょしつでほんをよんできますね
マリア・リハイント(母)
あら、図書室へ行くの、ラナ。
お屋敷の中ですけど、気を付けてね。
ラナ・リハイント
はい、おかあさま。


みなさん、ラナです。

私が生まれてから早3年。
私は3歳になりました。

いやー、大変だった。

なにしろ私は前世の記憶がある。

つまり、精神年齢は3歳よりもずっと上。

3歳児の行動に合わせるのは本当に大変だった。


そして最近は口も達者になっていきました。

というより、段階的に達者にしていきました。


だって、赤子がいきなり達者な口ぶりではなしはじめたら不気味に思うでしょう?



まぁ、そんなふうに、私はすくすくと育っていきましたよ。
最近はやっと部屋の外へ出歩けるようになりました。

母や使用人たちはまだ若干不安が残っているようですが、これでも前世では名を轟かせた魔女。
危ないことなんて――――――――――――
ラナ・リハイント
わあっ?!

………ありました。


曲がり角で走ってきた誰かとぶつかりそうになった。

???
お前、気を付けろよ!
僕を誰だと思っているんだ!
ラナ・リハイント
えっと、もうしわけありません、どちらさまでしょうか?

うん。知らない人。

今まで部屋の外に出れなくて、お母様から聞いた童話しか情報がない状態で、この人がわかるわけないでしょう?
???
なっ!
無礼だぞ、お前!
ラナ・リハイント
そういわれましても、ごくさいきんへやのそとにでれるようになったので………
???
は?
???
お前、年は?
ラナ・リハイント
さいきん3さいになりました。
???
3歳?!
あぁ、もしかして私の口が達者すぎてもっと上だと思っていたとか。

よくあることですね。


みんな私の実年齢聞くとビックリするんだよね~
???
そ、そうか、怒鳴ったりして、すまなかったな。


あれ?
最初が高圧的だったから謝らないと勝手に思ってたけど意外にすんなり謝ったな、この人。

きっと根は素直なんだろうな。
ラナ・リハイント
いえ。でも、ろうかではしるのはあぶないですよ?
ラナ・リハイント
おかあさまがいってました!

必殺!「おかあさまがいってました」!

大抵はこれで黙りますね。

大人げないかもしれないけど、これでこの子も懲りるでしょう。
???
ああ、今度からは気を付ける。
???
そういえば、お前、名は?


おっと、名乗っていなかったか。

ラナ・リハイント
私は――――――


………待てよ?


私たぶん貴族なのに簡単に名のっていいのか?
しかも、相手は知らない人。


うん、ダメだ。
ラナ・リハイント
相手に名前を聞くときはまず自分から名乗るのが礼儀です!

うん、常識だね。



あれ?驚いた顔してどうしたんだ?

あ、今までこんなこと言われたことなかったとか?
???
あぁ、すまない、名乗っていなかったか。


そしてこのあと、彼が放った言葉に私は驚愕することになる。





ルイツア・リラ・マリアネス
僕はルイツア・リラ・マリアネス。
ルイツア・リラ・マリアネス
この国の第1王子だ。











はい?

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