第15話

15話
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2021/03/08 21:00
え、断りたい。


断れないのかな、これ?


強制?多分強制だよな。


うわー!最悪じゃん!



エリック・リハイント(父)
今、ルイツア様が此方にいらしている。
エリック・リハイント(父)
くれぐれも失礼の無いようにしなさい。
ラナ・リハイント
は?


え待って、これ私が相手するの?

えぇぇぇぇぇ……


そして半強制的な形で応接間まで向かわされる私。

ほんとに可哀想だと思うんだけど。
いきなり婚約とか、王子の相手とか。


てか結婚とかマジで無理なんですけどー!



…脳内で現実逃避している間に応接間についてしまった。


ラナ・リハイント
しつれいします
ルイツア・リラ・マリアネス
あぁ、ラナか。


扉を開けるとそこには、ソファに座り、優雅にお茶を飲む王子の姿。

これぞ王座、というような気品がある。

私にはその気品は到底出せないだろう。


なんか護衛っぽい人と、執事っぽい人と、同い年なんじゃないか?って少年もいる。

来てるのって王子本人だけじゃないのかよ。

てかもう1人の少年誰だ!



…さて、さっきから余計なことをごちゃごちゃと考えて、現実逃避を行なっていたけれど。

王子の相手をしないわけにもいかないし、とりあえず近づくことから始めようか。


ラナ・リハイント
おひさしぶり…?です
ルイツア・リラ・マリアネス
あぁ、久しぶりだな。
改めて、ルイツア・リラ・マリアネスだ。
ルイツア・リラ・マリアネス
お前の婚約者になる。
よろしくな。
ラナ・リハイント
よ、よろしくおねがいします。


いや、婚約者になること確定かい。

こちらに拒否されるとか考えないのかな?

あ"?やんのかコラ!


ルイツア・リラ・マリアネス
まぁ、取り敢えず、座れ。
ラナ・リハイント
あ、はい。
ルイツア・リラ・マリアネス
今回のことは、僕が父上に頼んだんだ。


王子が言うには、私が媚を売らなかったのが珍しく、面倒な女と婚約するよりも、私がいい…ということらしい。

え、私女よけ?

そんな面倒くさそうな役回り嫌なんですけど。

ルイツア・リラ・マリアネス
ラナは本を読むのが好きと聞いた。
ルイツア・リラ・マリアネス
この話を飲んだ暁には、応急の書庫の入館許可をやろう。
ラナ・リハイント
やりますッ!


王宮の書庫?!

そんなの…そんなの……楽しみすぎる!

目の前の王子が作戦通りとでも言いたそうな顔をしているが、関係ない。

王宮の書庫に入り浸れる…!

つまりは知識をつけ放題!


あぁ、それだけでこの話、受けてよかった!


ルイツア・リラ・マリアネス
では、これで婚約成立だな。
ルイツア・リラ・マリアネス
さっきは理由として、女よけと言ったが、僕はお前のことも気に入っているんだ。
ルイツア・リラ・マリアネス
これからよろしくな。
ラナ・リハイント
はい!


私はこのルイツアのセリフを完全に聞き流していた。


そう、“私を気に入っている”というセリフも………

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