はい、今お母様の部屋に戻っている途中。
いろんな人とすれ違うけど、ほとんどの人がメイドさんや執事さんだな。
まぁ、貴族の家だし、当たり前………なのかな?
それにしても、誰も話しかけてこない……
嫌われてるのかな………?
え、もしそうだったら、すごくショックなんだけど。
………これは他の人たちとも仲良くなる作戦を練らなきゃかな。
そんなことを考えながら歩いていると。
この人……………………………………………………………
お父様か。
いや、忘れてた訳じゃないよ?
でもさ、初対面でいらない的なこと言われたら思い出したくないじゃん。
しかも、あっちは私が誰かまだ気づいていない様子。
おい、あんたの娘だぞ
………………………………ぶっ殺したいぃ
別に望まれてないってわかってるし?
愛せとは言わないけど?
いくらなんでも存在忘れるのはないと思いますけどねぇぇぇぇ
自分の娘だろ、覚えろよ
この人死刑にしても良いですかね。
このラナ様の魔法で消し炭にしてやりましょうかぁ~?
しかもそのままどっか行ったし。
うん、決定。
次会って今のようなことがあったら絶対に魔法ぶつけてやる。
とまぁ、そんな物騒なことを考えながらお母様のもとへ戻る。
うん、お母様、すごくいい人。
どっかの誰かとは大違いだね。
それにしても、行く前は普通だったのに、今はなんか服が変わってるような…………?
これから何かあるのかな。
あぁ、そういえば、どっかの誰かが私が生まれたときにまた女かって言ってたな。
そっか、お姉様がいるのか。
え、雲行き怪しくないですかお母様。
問題児かなんかなの、お姉様って。
しかも、かなり?
そんなに騒がしいの……?
とそのとき、
バンッ
ドアが空いた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。