望side
数ヶ月前…
俺はあなたを誘って男1人では入れなさそうなカフェに来た。
コイツ…
俺に彼女がいるなんて思っとたんか。
顔赤なってますよあなたさん。
そんなあなたを俺は可愛いなって思った。
あなたは俺の口元に手を近づけてクリームを取ってくれた。
そのクリームはそのままあなたの口の中。
俺はドキッとした。
俺と呼ぶあなた。
違和感はないんやけどさ。
一応、女の子やん。
それからあなたはあなたって呼んでる。
あなたは俺の事をめっちゃ笑顔で呼んでくる。
その時の笑顔はほんまに可愛い。
女の子やって事がわかる。
そう言っていつもの笑顔じゃなくて作り笑いしたあなた。
あなたは泣き出した。
相当無理してたんや。
泣いてるあなたを抱きしめた。
あなたの背中をさすりながら
あなたの話をちゃんと聞いた。
あなたはほんまにメンバーの事見てる。
でもこんな無理してたんやなんて俺はメンバー失格。
こんなあなたが甘えてくるなんて初めてで。
俺はそんなあなたに恋をしてしまったのかもしれへん…
メンバーやのにな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!