岩本side.
水族館の中にあるカフェの前で立っている目黒たちを見つける。
お揃いのベレー帽と、デカい目黒が分かりやすい。
それから、カフェでそれぞれ好きなご飯を買って、大きな水槽が見える席に座る。
にこにこと美味しそうにパスタを頬張ってて可愛い。
俺がじっと涼太を見つめていたから、食べたがってるって思ったのかな?
正直、涼太との間接キスが嬉しすぎて味よくわかんないんだけど。
俺が切ってあーんしたハンバーグが大きすぎて、涼太の口はパンパン。
ハムスターみたいで可愛い。
トマトソースの付いた口の端を指で拭ってあげると、くしゃっと笑って照れる。
あぁ、その笑顔で白飯何杯いけるだろう、、
隣のテーブルで食べていた目黒と阿部が、大きい水槽をみてはしゃいでいる。
小さい魚の大群を見て口を縦に開けて驚いている。
天使かな?天使なのかな???
エイに興奮しながらも、食べるスピードは変わらない涼太。
可愛い可愛い可愛い可愛い…
目黒も目をハートにして阿部を見つめている。
わかる、わかるぞその気持ち。
しばらくすると、涼太と阿部が楽しそうに携帯を覗いて話していたから、俺は目黒の隣に座った。
胸ら辺を抑えながら喋る目黒に大共感。
綺麗で可愛すぎた恋人の話で散々盛り上がって、涼太たちに止められるまで話した。
やっぱり目黒はよくわかってるな。
ご飯を食べ終わって、イルカショーが始まる時間まで4人で色々見て。
3時になって、イルカプールの最前列に座る。
濡れないようにカッパも買って、準備万端。
明るい音楽が流れて、イルカたちがジャンプで登場。
イルカたちがクルクル回って大ジャンプしたりするから、カッパ着ててもビッショビショ。
隣を見ると、カッパに付いてるフードを被ってるけど前髪がビショビショになっている涼太が楽しそうに拍手をしている。
あー、可愛い。
キスしたいけど1番前だし、後ろに人いるし、、我慢だな。
そんな事考えてたらイルカに大量の水しぶきをかけられて我に返る。
そうだった、今はイルカさんに集中しなきゃ。
全員ビショビショになったみたいだし、俺なんかもう下着まで濡れた気がする。
最後はバイバイをしてイルカショーは終了。
やばい、イルカ超可愛かった。超濡れた。
余韻に浸りながら立つと、ビショビショの服から水がボタボタ垂れてくる。
カーディガンを絞りながらケタケタ笑ってる涼太。
カッパの中でカバンやハットは守ってたからか、みんなの貴重品は無事。
シャワー浴びた後みたいになってる目黒と俺は、パンツまではギリ大丈夫だった。
阿部と涼太は見てわかるぐらいびしょびしょで、体のラインが丸見え。
パンツの線まで見えてるよ涼太。
エロい、超エロいけど……絶対だめ!!!!
絞られて小さくなったカーディガンを広げて涼太の腰に巻く。
…と、涼太の可愛いおっぱいが透けている。
だめだ、どうしよう、それはまずい。まずすぎる。
他のやつに見られたくないし、俺も見たらやばいし。
ようやく俺が焦ってる理由が分かったのか、顔を真っ赤にしてカッパを羽織る。
後ろを振り向くと、目黒のロングコートで上手に隠してる阿部。
俺も上着着て来ればよかったな。
これ以上透け透けな2人を歩かせるわけにも行かないので、満足できたし帰ることに。
車に戻って、俺と目黒が着てたカッパを座席に敷いてあげる。
阿部は車が濡れないか心配して乗ってこない。
そんな格好で外で突っ立たれる方が困る。
目黒に怒られる。
お土産屋さんで、どデカい柄タオルを何枚も買ってきてくれた目黒。
涼太の頭を優しく拭きながら、後部座席にいる目黒たちを見る。
高かっただろうに、ありがとう目黒…
可愛いイルカ柄のタオルを涼太の頭に被せて、コンビニを目指す。
続く
(次回は、ほんのちょっとだけえっちです)
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。