第18話

「好き好き同士」🖤💚
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2022/11/18 22:57



目黒side.
はぁ、もう最っ悪。
俺以外の男とイチャつくあべちゃんも最悪。
俺の前でってのがもっと最悪。
こんな嫉妬してる俺は1番最悪。


なに?なんでそんなにくっつくの?
わかってる、康二と仲良いんだもんね、知ってるよ。
俺が今まで一回も、嫉妬してるなんて伝えたことないから、そりゃ気づかないかもしれないけどさ。
でも彼氏の前でくっつくのはどうなのかねあべちゃん。
阿部亮平
ねぇ康二、今日お家行ってもいい?
向井康二
えっ、ええけど、、え大丈夫なん?
阿部亮平
え、なにが?

気まづそうにこっちを見て焦る康二と、なんにも分かってなさそうなあべちゃん。
てかあべちゃん、俺と先に約束してたじゃん。忘れちゃったの?
向井康二
いや、でもやめといたほうが…
阿部亮平
予定あるの?
向井康二
ないよ、ないけど
阿部亮平
んぅ、、やだ?


首を傾げて上目遣いをする。
ありえないんだけど。
え、あべちゃんマジでなにしてんの?

向井康二
嫌とかやないけどさぁ、

嫌って言えよ。
いや康二は悪くないけど。
阿部亮平
ならいいじゃん

わたわたと慌てる康二の手を両手で握って、自分の頭にのっけてる。
向井康二
ちょ、阿部ちゃんっ

慌てて手を引っ込める康二と口を尖らせるあべちゃんをみて、俺のイライラがMAXになる。

目黒蓮
 なにしてんの?


絞り出たのはめっっっちゃ小さい声。
もっとでかい声で言えよ俺。
彼氏なんだから怒ったっていいだろ俺。

……いや、わかってるけど。
だって俺あべちゃんに嫌われたくないんだもん。
こんぐらいで怒るなんて小さい男って思われたら俺もう、、、
あぁ、情けない。
だけど嫌われたくない。
いままで見せてきた大人の余裕をここで崩す訳にはいかない。

阿部亮平
ん?めめなんか言った?
向井康二
だから言うたやんっ!もうっ

あべちゃんには聞こえなかったみたいでよかった、うんよかった、、、

あーだめだしんどい。
これ以上ここにいたら爆発しそう。

目黒蓮
…俺先帰るね。お疲れ様でした
阿部亮平
えっ
向井康二
あ、おつかれぇ
驚いたようなあべちゃんの声を無視して、1人で楽屋を出る。
久しぶりの全員での仕事で、あべちゃんに会える!ってあんなにはしゃいでたのに。
一緒に俺ん家帰ろうねって昨日の夜LINEしてたのに。


タクシーの中で携帯を取り出すと、何個か通知がきていた。
康二から謝罪文。
あべちゃんからは一言だけメッセージが。


『今から家行ってもいい?』


もちろん!待ってる!!なんて、いつもの俺だったら送ってるんだけど。
スタンプなんかも付けるぐらい喜んじゃうんだけど。
今日は、このメッセージも素直に喜べない。
康二がダメだったから俺ん家行くの?
俺と約束してたのは忘れてるの?
……嫉妬を通り越して悲しいよ、

どう返せばいいかも分からなくて、返信しないでそのまま画面を閉じる。

既読無視なんて酷いと思うけど、おれは怒ってるんだぞっていう、、、
あーもうガキみたいだ、

できるだけ何も考えないようにボーッと窓の外を眺めて家に着くのを待つ。







家に帰ってもモヤモヤは続くばかりで、気持ち悪くなってくる。



嫉妬しても平常心でいるにはどうすればいいんだろ。
岩本くん、、はダメだ。
舘さん、舘さんに今度聞こう。
てか、舘さんって嫉妬するのかな。
岩本くんあんまり人とベタベタしないから、舘さんも嫉妬はしないのかな。

舘さんと岩本くんの楽屋でイチャイチャしていた姿を思い出してしまって、余計悲しくなる。
目黒蓮
はぁ、、

あべちゃんのLINEを見ないようにして携帯を開いて、「忍耐力 鍛え方」と調べる。

なになに、今の行動に対する結果をリアルに想像する…?

今の行動、、、?
康二に嫉妬して、あべちゃんのこと無視して、それで、、、
俺のこと面倒くさくなって、あべちゃんが俺を嫌いになって別れ……
目黒蓮
いやだ、

気づいたら涙が溢れていた。
目黒蓮
やだっ、あべちゃっ、ぅ、

鼻をズビズビと鳴らしながら、服の袖で涙を拭く。

女々しいな俺。格好悪い。
次々に溢れ出す涙に拭くのを諦めて、ソファーの上で体育座りをする。
目黒蓮
別れたくないよ、





ピンポーン



チャイムの音で、我に返る。
宅配便かな、
目黒蓮
え、

インターホンを押したのはあべちゃんで、もぞもぞと落ち着かない様子がモニターに映る。
どうしよ、いや、出ないわけにはいかないし。
深く息を吸って震える声を止める。
目黒蓮
……はい
阿部亮平
あ、めめっ!
あの、阿部、、です
目黒蓮
うん、どうしたの
阿部亮平
えっとね、遊びにきたんだけど、

辿々しい喋り方のあべちゃん。
可愛いよ、可愛いけど悲しいよ。
なんでかわかんないけど。
俺、悲しい気分なんだよあべちゃん。
あべちゃんのせいだよ。
目黒蓮
開けたよ

それだけ言って通話終了ボタンを押す。

目黒蓮
はぁ、好き
声聞いただけで好きが溢れる。
好き、大好き、あべちゃん。



もう一度チャイムがなって、俺は玄関へ向かう。
ドアを開けると少し息の上がったあべちゃん。

阿部亮平
めめ、会いたかった

俺も、俺もだよあべちゃん。
会いたかったけど、

目黒蓮
…康二と遊ぶんじゃないの
阿部亮平
え、、ぁ、

なにその気まづそうな顔。
違うよって言ってよ。
めめだけだよって。
目黒蓮
断られたんだよね。
はい、どうぞ
阿部亮平
ぁ、、お邪魔します

だから、なにその顔。

あべちゃんが靴を脱いでいるのを待たずに、1人でリビングへ行く。


目黒蓮
何飲む?

小走りでリビングに来たあべちゃんに聞くと、悲しそうな顔で見つめられる。
阿部亮平
めめ、なんか怒ってる、?

…は、本当に気づいてないんだ。
目黒蓮
お茶でいい?麦茶しかないけど
阿部亮平
めめ、
目黒蓮
あ、コーヒーの方がよかった?
阿部亮平
めめっ!

冷蔵庫を覗いている俺の後ろからあべちゃんが抱きついてくる。

阿部亮平
なんで、?
目黒蓮
んー?なにが?
阿部亮平
なんで、泣いてるの
目黒蓮
ぇ、あれ

涙止めたはずなんだけどな、また溢れてきちゃった。
目黒蓮
なんでもない
阿部亮平
やだ、めめ
目黒蓮
やだ?俺?そっかぁ、やだか、笑
阿部亮平
ちが、そうじゃなくて、
目黒蓮
あべちゃん、俺の事嫌い?好き?
阿部亮平
え、?めめ、、
目黒蓮
あべちゃん、
阿部亮平
めめ、ちゃんと、話そう、、?

涙でなにも見えないまま、ソファーに連れてかれる。


阿部亮平
めめ、どうしたの?
目黒蓮
…ごめ、俺が悪い
阿部亮平
ね、めめ
目黒蓮
ごめん、大好きだよあべちゃん、大好き

ぼたぼたと涙を流しながら隣にいるあべちゃんに抱きつく。
阿部亮平
俺も大好きだよめめ
目黒蓮
ん、うっ、あべちゃ、
阿部亮平
めめ、本当にどうしたの、

身体を引き剥がされて、顔を覗き込まれる。
涙を手で拭われて、あべちゃんの心配そうな顔が見えた。
阿部亮平
めめ

嫌だ、みないで。
これ以上格好悪いところ見せたくないのに。
阿部亮平
こっちみて、
目黒蓮
…やだ
阿部亮平
なんで?
目黒蓮
かっこ悪い
阿部亮平
かっこいいよ、めめはいつだってかっこいい。どんなめめも、大好きだよ
目黒蓮
…ごめん
阿部亮平
めめ、ちゃんと話そう。お願い

なんであべちゃんが泣きそうなの。
話すよ、話すから泣かないで。

目黒蓮
……俺、嫉妬したの。
康二と距離近くて嫌だった。
それに、あべちゃん俺との約束忘れててさ、今だって康二に断られたから来たんでしょ。俺もう、悲しい、、
阿部亮平
……
目黒蓮
ごめん、格好悪くてごめん。
女々しいよね、困らせてごめん、

あべちゃんの顔が見れなくて俯くと、涙がどんどんソファーに落ちていく。
阿部亮平
…ごめんなさい

ぎゅっと首に手を回されて、横から抱きしめられる。
阿部亮平
全部、全部ごめん
目黒蓮
俺が、我慢が足りなくて、俺が悪い
阿部亮平
やだよ、我慢やだ
目黒蓮
阿部亮平
我慢しないで。
あのね、俺、めめが全然嫉妬してくれないから焦って、嫉妬して欲しくてわざと康二と距離近くしてた。
目黒蓮
ぇ、、
阿部亮平
俺がめめとの約束忘れるわけないじゃん。
ずっと会えるの楽しみにしてたんだよ。
嫉妬してくれるかなって思ってたの。
…傷つけてごめんなさい、

首に抱きつくあべちゃんの腕にぎゅっと力が入る。
目黒蓮
嫉妬、たくさんしたよ。
も、飽きられたって思って
阿部亮平
…うん、ごめんね
目黒蓮
それに、いつも嫉妬してるよ。ずっと
阿部亮平
嘘だ。いつも余裕そうだったもん、
俺ばっかり嫉妬して…
目黒蓮
え、あべちゃん嫉妬してくれてたの?
阿部亮平
ずっと、ずっとしてる。めめかっこいいからモテモテなんだもん、
目黒蓮
でも、俺はあべちゃんだけだよ
阿部亮平
俺もだよ、俺も、めめだけ

あべちゃんの腕を掴んで、そのまま抱きしめる。


阿部亮平
…ごめん。
俺、勘違いして酷いことしちゃった。
悲しいのやだったよね、嫌な思いさせてごめんなさい、
目黒蓮
ううん、俺こそ無視とかしてごめん、
俺もっと忍耐力つける……
阿部亮平
つけなくていい、

身体を離されてあべちゃんに見つめられる。
目黒蓮
でも俺、なんにでも嫉妬しちゃうから、どんどん重くなっちゃう
阿部亮平
いいよ、重くなって。全部、話して?
嫌だったことも、悲しかったことも全部

優しい目で、優しく頬を撫でられて、また泣きそうになる。
阿部亮平
…嫉妬してくれたの嬉しかったよ。
めめは嫉妬しないんだと思ってたから。
でも、悲しい思いさせちゃった。
だから気をつけるね、気をつけるけど、嫉妬したらちゃんと話してほしいな。
自分じゃ気づかないのもあると思うし、
目黒蓮
うん、ごめんね。ありがとう
阿部亮平
なぁんで謝るのぉ。俺こそごめんだよ、
わざとあんなことして、もしかしたらもっと構ってくれるかなぁって思っちゃった

あべちゃんの可愛い笑顔。
こんな可愛い可愛いあべちゃんを、今日の俺みたいな気持ちにさせたことがあるなんて、辛い。
目黒蓮
たくさん構う、嫉妬なんてしなくても、いつでも構うよ
阿部亮平
ふふ、ありがとう。
…めめ大好き///
目黒蓮
俺も大好きだよ//



もう一度抱きしめて、あべちゃんの頭に顔を埋める。
目黒蓮
……俺すぐ嫉妬しちゃう。
あべちゃんがどれだけ気をつけても、嫉妬しちゃう。 重くてごめ…
阿部亮平
まだ言うの

少し怒ったような顔で俺を見上げるあべちゃん。
そんな顔も可愛いね、大好きだよ。
阿部亮平
隠さなくていい、我慢しなくていいの。
どんなめめも大好きで大切なの
目黒蓮
ん、ぅん、う、
阿部亮平
めめ、もう泣かないでよぉ
目黒蓮
ぅ、ごめ
阿部亮平
もう謝るのもだめ!
目黒蓮
っ、うん、
阿部亮平
…俺もね、めちゃくちゃ重いよ。
たくさん嫉妬するし。
こんな俺、嫌だ?
目黒蓮
嫌なわけない、愛おしいよ、
阿部亮平
いとっ、/// …うん、俺も同じ気持ち。
ね、俺らは好き好き同士なんだから、重くていいんだよ
目黒蓮
ふふ、うん
阿部亮平
え、なんで笑うのぉ

口を尖らせて眉をひそめている。

目黒蓮
好き好き同士って可愛いね、
阿部亮平
だって、、ほんとのことでしょ?//

上目遣いでそんなの、可愛い。
全部、全部、大好き。
目黒蓮
うん、ほんとのことだよ
阿部亮平
へへ、よかった

にこにこっと笑うあべちゃんに優しくキスをされた。
目黒蓮
あべちゃんっ、//
阿部亮平
え〜?照れてる?
目黒蓮
照れてる!

あべちゃんの身体を抱きしめてから、唇に軽いキスをたくさんする。
阿部亮平
ん、ちょ、めめっ//
目黒蓮
んっ、あべちゃん

唇を離してあべちゃんを見つめる。

目黒蓮
俺、めちゃくちゃ重いから。
すぐ嫉妬するし、すぐ拗ねるけど、大好きだから。
あべちゃんのこと一生離さないからね、覚悟してて
阿部亮平
…うん// 俺も離さないから




阿部side.


阿部亮平
ふふ、
あの時は、まだ付き合ってそんな経ってなくて。
めめが嫉妬しただけで、あんなおおごとになってたんだなぁ〜笑



目黒蓮
どうしたの?
阿部亮平
ん?なにが?
目黒蓮
楽しそうに笑ってたから
阿部亮平
思い出し笑いだよ
目黒蓮
…なに思い出したの?
阿部亮平
ナイショ
目黒蓮
やだ、内緒やだ!
俺以外のこと?ねぇ、
阿部亮平
ふふ、どうだろうね
目黒蓮
あべちゃんっ!


あの時はめめに嫉妬させないって、悲しい思いさせなくないって頑張ってたけど、なにをしたってめめは妬くから、最近はもう放っといてる。

最近は、嫉妬したらその分甘えてくるようになったし、たくさん甘やかすようにしてる。

まぁ放っときすぎると暴走して俺の腰が終わるから、そこだけ気をつけてるんだけど。

目黒蓮
あべちゃぁん、
阿部亮平
もちろんめめのこと考えてたよ
目黒蓮
あべちゃんっ!//












終わり



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