第5話

雨のせい
131
2019/05/19 17:46
今日は朝から雨が降っていた。流石にイケメンじゃがいもも雨の日は公園には行かないだろう……とか思いつつ何故か家の鍵を閉める。

やはり雨のせいで公園に人影はなく,鳥すらお家に帰っている。
ふと公園の奥に足を踏み入れる……紫陽花が雨に打たれながら,雫でお化粧をしているようだった。まぁ美しかった訳だが……そんな紫陽花の奥にある屋根付きのベンチに,彼は…1人で座っていた。

私
今日は雨なのに
私は彼の横に座った。
広哉
広哉
雨の日は世の中の音が消えて不思議な気分になるから…好きなんだよ
私
じゃあ私はお邪魔だったかしら??
少し嫌味っぽく言ってみる。
広哉
広哉
そっそんなことあるわけないだろっ!!
今日も会えて嬉しいよ…………
沈黙が続いた。しかし私はこの時間が苦痛とは感じなかった。彼も…同じ気持ちなのだろうか……
広哉
広哉
ねぇ……
不意に彼がこちらを向く。そういえばサングラスをかけていない彼の目を初めて見たなぁ…………
私
?!
彼の唇が私の唇に触れた。一瞬の出来事なのに,今でもその温もりを思い出せる。驚いている私に
広哉
広哉
急に驚くよね……w
でも僕は真剣だよ。僕は目が見えない。でも貴方のことが好きな気持ちは分かるんだ。
この時初めて気づいた…………私は彼が好き

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