リビングのドアを開けると、
ソファで横になって寝てるトミーがいた。
リビングにある机には、
いろんな人の連絡先と
パソコンには様々なネカフェやホテルの
電話番号が表示されていた。
トミーが寝てるソファの周りにも
それが印刷されてある紙でいっぱいだった。
寝てるトミーを覗く。
スースー
目の下のクマ。
寝てなかったのかな…
さらっ
トミーの頭を撫でた。
こんなに胸が締め付けられて、
愛おしいと思うのは初めてだった。
あなた「トミー…ありがとう。」
起こさないよう小さな声で言う。
トミー「あなた……ど、こ…」
寝言であたしを探していた。
あなた「ここにいるよ。ただいま」
チュッ
おでこにキスをする。
あなた「トミー…大好き。」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。