前の話
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まだ、陛下にもなってない、ひよっこ皇子ターコイズとゆるふわ策士フローレンスの身勝手によって、わたくしのゴージャス貴族生活は幕を閉じたのだった。
まあ、わたくしもこの地位を守るためにフローレンスに色々仕掛けたのだけど。
それをターコイズに罪を盛りに盛られ、罰もこんもり受けることとなってしまった。
やはり、フローレンスのお気に入りの鞄の中にカエルを入れたのはマズかっただろうか。
でも仕返しにあっちは化粧箱にヘビを仕込んできたのだからおあいこ、むしろこちらの方が被害を被っている気がするが。
フローレンスはつよかった。
無害でかわいい顔をしているが、実際「やられたらやりかえす」タイプだったのだ。
これが平民であったから尚更驚きだ。
平民から皇子の愛人、そしてたった今婚約者のフィリアも排除し、現在皇女序列1位にのし上がった。
このように、一方的で無茶苦茶な王命により、わたくしエーデル・フィリア・ハッシュベルトという人物の幕が閉じたのだった。
あまりにも、あっけない。
両腕をガシッと掴まれ、足を引きずられるまま、兵士たちに連行されていった。
今までの努力が泡のようにぱちんと弾けていく気がした。
貴族では…なくなる。つまり、贅沢に過ごしていた日々は失うし、お父様、お母様にもお兄様にも会えなくなる…。
そして、1人であの静かで暗い森であるヨナカの森で過ごす、と。
こうして、エーデル・フィリア・ハッシュベルトは社会的に抹殺され、わたくしはただのフィリアになりました。
目の前が真っ暗になりました。
ーつづく。ー
【次回予告】
ハッシュベルト家の愛の支援!
そして、天然毒舌メイド登場!
お楽しみに。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。