私は、聞いたの。
この耳ではっきりと。
琉(ルイ)は………
先週亡くなった。
交通事故だったらしい。
先週琉に伝えそびれた言葉。
それを伝えられずに琉はこの世を去った。
認めたくなかった。
だって、今まではクラスが一緒で毎日のように会える人で
つい昨日までって感じだったのに。
「じゃぁな。」って言われて「また明日」って言葉を交した次の日。
琉は学校に来なかった。
なんでだろう。風邪かな。
誰もがそう思っていた2日後のこと。
担任の先生から
「昨日、南野 琉 が亡くなりました。」
と。
琉が、学校に来なかった最初の日は手術をしていたらしい。
手術は成功した。
はずだった。
手術が成功した次の日、
心臓発作が起きて亡くなったと聞いた。
その時、後悔というものが体中に廻り私を苦しめた
中学の時からの知り合いで特別仲いいわけでもなかった琉。
でも、少しだけど琉と話す時間は
今までの中で1番色がある時間だと思った。
中学3の時の修学旅行告白しようと思って、
夜空いてるから聞いたとき、他の女子と待ち合わせしてると答えた。
きっと、告白されに行ったんだろう。
頭も良くて、顔も良くて、無口だけど性格は良くて。
モテる要素ありまくりの人だけど。
でも、断ったと思う。
だって、告白した子らしき女子がトイレで泣いてたんだもん。
慰めたら、好きな人がいるって言われたらしい。
その言葉を聞いた瞬間告白するのをやめようと思った。
その言葉を聞きたくなくて逃げたんだ。
それが、大きい後悔の1つな気がするんだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。