それでも私は孤独(独り)じゃなかった。
お弁当を食べるときはいつも榎本がいてくれた。
私はいいって言ってるんだけどいじめられているのを気にしてるみたい。
『ドキッ』
まただ。
あの日から私少しおかしいのかも知れない。
榎本が優しい言葉を言ってくれたり気遣ってくれたりするたびに、胸の奧がきゅーっとなる。
いじめは彩葉ほどひどくはなかった。
悪口を言われたり、無視されるのはあるけれど、机に落書きとかがなかったからだ。
それでもやっぱり心は痛い。
でも榎本がいてくれたり″好きな私”でいることは何よりの支えになった。
明日の放課後か。
なんだろう。
気になる。。。
遊びにでも連れていってくれるんだろうか?
あ~考えるだけでドキドキする。
この気持ちはなんだろう。
あーあ。なんだか今日は眠れなさそう…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!