第12話

11~押した~
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2019/05/25 02:35
楓
その……昨日はごめん。
あんなに怒鳴っちゃって。
春
あー、
それは俺も悪かったから。
榎本はいつもより、顔が笑ってなくて、真剣な瞳をしていて、なんだか私を突き放してるかのようだった。
多分前の私だったらこのまま立ち去ってたと思う。
でも昨日までの自分とは違う。
だから____
楓
わ、私さ。
昨日、榎本に言われたこと本当は図星だったんだ。
楓
勇気を出して、自分がターゲットにされるのが怖かった。
楓
でも私思ったの。
嫌いな自分より好きな自分になろうって。
だから、私変わるよ。
楓
それを気づかせてくれてありがとう。
って事を言いたかっただけだから。
そう言って、立ち去ろうとすると腕を掴まれた。
春
はぁ~。
そういいながら榎本はしゃがんだ。
春
なんだよ。俺昨日ひどいこと言ったから嫌われたかと思ったじゃん。
そう言ってる榎本は少し拗ねてるようなホッとしたようなそんな感じで頬を少し赤めてた。
楓
ぷっ!
あははw
春
うるせぇ。///
楓
私さー………頑張るよ。
春
なに?あんたまだ、勇気たんねーの?
楓
えっ!?
春
あんたならできる。
木ノ下 楓ならできる。
だから行ってこい。
そういって背中をポンっと押してくれた。





『ドキッ』










なんだろう。
とても顔や心が熱い。
楓
うん!
榎本の一言が私の背中を押した。

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