第13話

Ep13
628
2021/12/23 09:56
イニー
イニー
ただいまー!
すっごいタイミングでみんなが帰ってきた!


慌てた私たちは瞬時に離れ、冷静を装う。
ひろと
ひろと
あれ?
あなた今日は休みなんじゃないの?
(なまえ)
あなた
えーーっとね、
洗面台掃除するの忘れてたかもーって
見に来た!ははははは
ひろと
ひろと
また掃除かよ!
ほんと好きだな
フェン
フェン
マサヤくんはそんな所で
どうしたんですか?
マサヤ
マサヤ
ん?俺?
えっと、
帽子どこに置いたっけなと思って
探してた
フェン
フェン
マサヤくん、
帽子かぶってるよ
マサヤ
マサヤ
あーー、
かぶってたわ!あはは、、
フェン
フェン
???
焦る私たちに気付いていない様子のみんな。


まだ落ち着かない胸の鼓動がバレないように、小さく深呼吸して整えた。


(なまえ)
あなた
じゃあ、、、
洗面台も綺麗だったことだし
帰ろっかな!
キョウスケ
キョウスケ
ちょっと待って!
あなたに相談というか、
聞いて欲しい事があるんだけど。
俺ら今日はデリバリー頼むから
一緒に食べながら聞いてくんない?
きょーちゃんから相談なんて初めて。
なんだろう。


宿舎には6人掛けのダイニングテーブルが2つある。
決まった席はなく、みんなその日でなんとなく座っている。

デリバリーが届いたので今日もなんとなく座ると、
マサヤくんは私の前に座った。


みんなそれぞれ食べ始めると思い思いに喋り始めた。


向かい合わせで座っているのに、私はきょーちゃんやヒロムくんとばかり話して、マサヤくんとは話さない。

微妙な距離感がある。


でもそれは、昨日までのそれとは違う距離感。
幸せな距離感。


マサヤくんはタジくんたちと話しながら、時々私の顔を見てはニコニコする。







キョウスケ
キョウスケ
今度の雑誌のアンケートさ、
なんて書こうかなー?
ひろむ
ひろむ
あぁ、あの
好きな人のタイプは?ってやつ?
ひろと
ひろと
どーしよっかねー。
そういえばさ、今まで聞いたこと無かったけど
あなたって彼氏いんの?
(なまえ)
あなた
彼氏?!
へ?!なんで?!
ひろと
ひろと
いないか!
毎日ここにいるもんな!
(なまえ)
あなた
失礼な!
彼氏くらい!!
キョウスケ
キョウスケ
いるの?!
(なまえ)
あなた
……いません
事務所と交わした契約書を思い出し、急に不安に襲われた。

もしバレたら、どうなってしまうんだろう。
このまましばらくはバレないようにしなければ。


喉が乾き何か飲もうとしたが、何も無いのでキッチンへミネラルウォーターを取りに行く。

対面式キッチンからはみんなが楽しそうに話しているのが見える。いつもの見慣れた光景。
静かなリビングよりも、やっぱり私はこんな賑やかなほうが好きだ。


マサヤくんも何かを取りに来た。

ツンツン
(なまえ)
あなた
???
ツンツン


キッチン台に隠れて見えない私の腰の辺りを、マサヤくんが人差し指でツンツンしている。

私を見て、頬っぺを膨らまし、子犬のようないじけた顔をしている。



もしかして!!!!!


さっき私が彼氏はいないと言ったことに拗ねている?!

な、な、なんて可愛いんだ!!


どうしよう、さっきから惑わされてばっかりいる!

このままマサヤくんと2人になりたい!

そんな欲望を我慢してきょーちゃんの所へ行く。
(なまえ)
あなた
きょーちゃん、相談ってなに?
キョウスケ
キョウスケ
あぁ……
あれ?あなた顔赤いけど、どーした?
(なまえ)
あなた
赤いかな?!
えっと、、
暑くて!この部屋暑くない?!
キョウスケ
キョウスケ
そぉ?俺は寒いけど。

でさぁ、相談なんだけど
女の子ってどんな雑学好き?






きょーちゃんの相談とは、
ただの雑学の話だった。