第5話

お店を閉めた後に。🔞
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2019/08/26 09:10
お店を出た後、何分経った…?
夜の8時から喫茶店の閉店まで叶紬と話して、そこから、…………そこから。


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「帰り遅くなっちゃうな」

夜の街を歩きながら呟く。今日は話が盛り上がって喫茶店の閉店時間まで過ごしてしまったのだ。好きな人と過ごす時間はあっという間だな…といつも感じる。好きだなんて言えるはずもない。気づけば2年。

(この関係は崩したくない)

そう思えば思うほど胸が苦しくなる。




▽▽
駅に向かう途中だった。
突然男の人2人に腕を引っ張られて、路地の隙間に連れていかれた。

「なぁ、俺達と気持ちいいことしない?」

「えと…離して下さいっ」

「ここまで来てあっさり帰らせるかよ」

「っ…」

突然だったから分からなかったが、会話をして分かった。




襲われると。




どうしよう、逃げたい、けど俺の力じゃ無理。

「おいおい、そんな怖がんなよ、これ飲めば楽になるから」

「え?…っんっ…」

「あぁ、これ媚薬だから」

「けほっ……びやく…?」

無理やり飲まされたのは媚薬らしい。

「少ししたら気持ちいいことしか考えられなくなっから」

「っ、やだっ…助けて」

怖い、助けて。

「かな…たぁっ…」














「おい、てめーら何してんだ」

聞き覚えのある声。

「お前こそ誰だよ!」

殴りかかってきた2人をかわす叶紬。

「あーあ、喧嘩売ったのはてめーらだからな?ちゃんとお礼してやんよっ」

ゴッっと鈍い音がしたかと思えば男の腹に殴りを入れていた。

「次この人に手ぇだしたら骨折るぞ」

「っ、行くぞ…」

叶紬には敵わないと思ったのだろう、男2人は逃げていく。








▽▽
バイトが終わり、店を出て家に帰る為に足を動かす。俺の家はバイト先から歩いて15分の所にある。
駅前を通り過ぎて少しした所にある二階建ての家。

(今日は天毬さんと沢山話してしまった)

天毬と話すととても楽しく、時間を忘れて盛り上がってしまう。

(好きだからしょうがないし…)

好きだから時間が過ぎるのが早いのかもしれないな、と考えながら歩いていた時だった。

「……っんっ」

聞き覚えのある声が路地の隙間から微かに聞こえた。

苦しんでるような声。

「けほっ…」

……天毬さん…?

「っ」

声の主に気づいた瞬間、そこへ向かっていた。



震える声で俺に助けを求める天毬さん。


俺が一番に触れようと思っていたのに、俺がもたもたしていたから。


あぁ、


怒りと悔しさと男への嫉妬でおかしくなりそうだ。


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▽▽
男達を追っ払った後、俺と天毬さんは無言で歩いていた。向かう先は俺の家。



パタンっと家のドアを閉めると後ろからギュッと手を握られる。

「叶紬っ…助けてくれてありがとう…」

「…ほんとに怪我とかなくて良かったです…、怖かったですよね。とりあえず入ってください」

ぽんぽんっと頭を撫でる。

「うん……っぁ」

「っ?天毬さん…?」

「身体っ…なんか暑くて…叶紬に触られたところじんじんくる…ぅぁっ…」

「!?」

「あの人達に媚薬のまされてっ…はぁっ……」

「っ媚薬…。でも……治るの俺じゃ嫌ですよね…」

「ううんっ…かなた……かなたがいいのっ…好きっ……だからっ…」

「はっ…?」

好き?天毬さんが俺のことを…?
嬉しいけど今はそれより身体を楽にさせないと。

「詳しくは後から聞きます。…いいんですね?」

「うんっ…ぁ…かなたが俺を楽にさせて?」

「っ」

(俺に抱かれたってこと、後悔させねぇから)

「〜〜!♡ぁ…♡」

耳元で囁くだけでも感じる天毬さん。
こんなになった姿も可愛いなんて。





次は媚薬えちえちです〜!!
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