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第1話

今までも、これからも
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2018/02/05 08:09
*じんたんside



季節はまだ冬。

そろそろ春になるというのに、外はまだまだ冷たい風が吹いている。
そんな中、俺はある人を待っている。


俺の相方のテオくん。
相方でもあって、俺の好きな人でもある。


これは誰にも言えない秘密だけど。
冷たい風が顔に当たって、少し痛い。
俺は着けていたマフラーに顔を埋めた。
手袋、つけてくればよかったな
なんて今思ってもどうもならないことを考えながら冷え切った手と手を擦り合わせる。
じんたん
テオくん、早くこないかな…
夜風にあたりながら、一人つぶやいた
テオくん
じんたーん!おまたせ!
じんたん
うわ!びっくりした、笑
テオくん
あっはは、ごめんごめん笑
テオくん
じゃあ…行こっか、
じんたん
うん、行こ!
テオくんと並んで目的地に向かう。

夜だからか、お店の照明がやけに眩しく感じた
じんたん
…寒い、
テオくん
うん、寒いね
二人して呟いた。
今日は、いつにも増して夜風が冷たい。

もし俺たちが恋人同士だったら、この冷たい手もテオくんが握ってくれてたのかな?

…何考えてんだろ、俺。
じんたん
はぁ、
自然とため息が出る。

そんな俺のため息に気が付いたのか、テオくんが歩きながら不思議そうな顔で俺を見た。
テオくん
ため息なんかついて、どした?
心配してくれてるのかな。

それだけの事だけど、俺にとってはすごく嬉しい事だった。
でも迷惑はかけたくない。
じんたん
…ううん、別になんもないよ!
テオくん
そ?ならいいけど…何か悩みとかあるんだったらちゃんと言えよ?
じんたん
うーん、笑
テオくん
なになに、俺に言えない事でもあるんですか〜?
ニヤニヤしながら俺を見つめて来るテオくん。
阿保、お前の事で悩んでるんだから言えるわけないでしょうが。

不覚にも腹が立ち、軽くテオくんの頬を叩いた。
テオくん
いたっ!いっったい!!
じんたん
大袈裟すぎだわ、!笑
テオくん
もう〜…いや、マジでなんかあったら言ってよ?
テオくん
俺でよければ話聞くからさ、
じんたん
…うん、ありがと
そういうと、テオくんは再び前を向いて歩き始めた。
今の俺の気持ちをテオくんに言えたら、どんなに気持ちが軽くなるだろう。
でも俺はこの気持ちは伝えたくなかった。

この気持ちを伝えて気持ち悪がられるのは分かってるし、今の親友という関係を壊したくない。
だから今までもこれからも、ずっとずっと
〝相方〟としてテオくんのそばに居させて下さい。

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