第3話

秘密の夜
2,465
2019/02/03 02:12
『遅くなるかもだけど帰ったら電話する』



エイジはそう言って私の頭を撫でて職員室に戻って行った


私も待っていてくれたレミの元に走って、
2人でカフェに寄り道をしながら家に帰った










夜も10時になろうとしている頃


部屋で明日提出しなければいけないレポートをまとめている時にケータイが震え出した


画面を見ると「エイジ」の文字


夜電話がかかってくるって分かっていても、
いざ電話がかかってくると緊張して出るのが遅くなってしまう


深呼吸してからエイジの電話に出た



『”ごめん、遅くなって。
まだ起きてた?大丈夫だった?”』



私の大好きな低音の甘い声



「うん、まだ全然大丈夫だよ」



そう言うと小さく笑う声が聞こえた



『”さっきの放課後の事だけど、何で泣いてたの?”』



エイジがそう聞く



「断る時のエイジの優しい声、あの声は私以外に聞かせないで、絶対に勘違いする子が出てくるし。
あとエイジが学校でモテてるって事。
それはどうしようもないけど、私っていう彼女がいるのに公表できないのがちょっと悔しくて……」



そこまで言ってハッと我に返る


何これ、私嫉妬心丸出しじゃん


しかも束縛みたいになってるし



「ごめん、エイジ、今のなし。
そんな事できるわけないのに……ね」



私がそう言うとエイジは笑って



『”嫉妬してるし、束縛激しいとか思ったんだろ?
全然そんな事ないし、むしろ嬉しい。
しかも俺がモテてるって言ってたけど、お前だって結構モテてるんだぞ男子の中では。
絶対離さねえから”』



そのエイジの言葉にキュンとする


その時、電話越しからキキッと車がブレーキをかけた音が聞こえた


そして外では車が止まるような音が


もしかして、と思って階段を駆け下りてバンッと玄関を開ける


そこにはエイジの車があって、エイジがいた



『木曜日と金曜日は親さんいないんだろ?
会いに来た』



そういえばそんな事エイジに言ったかな


一人っ子だし寂しいっていうのもその時に言ったから、
その事覚えてて会いに来てくれたのかな


エイジは車を私の家の車庫に停めると、
家に入って来て玄関の鍵を閉める


閉めたかと思うと私に近付いて耳元で



『上目遣いも、嫉妬も、束縛も可愛すぎだし。
触れたくなったから、今夜は寝かせないよ』



エイジはそう言って私に軽くキスすると、
靴を脱いで家に上がって私を軽々とお姫様抱っこした



「ちょ、エイジ……!
重いからおろしてっ、」



そう言うけどエイジは至近距離で微笑むだけで下ろそうとしてはくれない



『部屋どこ?』



そう聞かれて顔に熱が帯び始めるのが分かる


あれだよね、その、えっちするって事だよね……


目を泳がせて答えずにいると



『……答えないならここでヤるよ?
明日腰痛くなっても知らないから』



そう言って廊下に下ろそうとする


さすがにここでやるのは絶対腰が痛くなるだろうし、
親が帰って来て必要以上に痛がってるの見せたら勘づかれる……!



「2階!2階の一番奥の部屋だから!」



そう答えるとエイジはニヤッと笑って階段を登り始める


もちろん私をお姫様抱っこしながら


私の部屋に着くと扉を足で閉めて私をベッドに寝かせた


素早く体制を変えようとするけど、
そう上手くはいかずすぐにエイジが私の上に跨ってくる



『逃げようとしたって逃がさないから』



そう言うと私の両手首をベッドに押し付けて、
両手を使えないようにしてから私にキスした

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