第77話
青空願ってまた明日
藤井side
先生「明日持つかどうかです」
頭の中が真っ白になった。
受け止められないやん、こんな現実。
誰かに言って欲しかった、嘘やでと。
誰かに言って欲しかった、夢やでと。
明日は、望の誕生日なんやで?
24になるんやで?
まだ、24なんやで?
先生「今は落ち着いています。また目が覚めたら
教えてください。」
それだけ言って先生も戻って行った。
俺らは望が心配ですぐ様病室に入った。
俺がまず目に入ってきたのは
色様々なチューブに繋がれて寝ている望やった。
“もっと一緒に居りたかったで…”
濵ちゃんが初めて俺らの前で涙を流した。
慌てて頬に伝う涙を手で払って
また望の方に向き直って頭を撫でていた。
その顔はほんまにお兄ちゃん。
大事な大切な弟を見守っているような
優しい顔をしていた。
朝以来見上げることがなかった
綺麗な青空を見た。
この青空に色々願った。
明日迎えられますように
明日望にとって最高な誕生日になりますように
明日…明日…
いい日になりますように…。