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第67話

心が痛い「おめでとう」
神山side
7月1日午前12:00
日付が回ったのと同時に鳴り止まない俺の携帯。
お世話になっているスタッフさんや
しげを始めとしてメンバーのお誕生日メールが
沢山届いた。


でもある1人だけ何時になっても届かなかった。
それは…












小瀧望、やった。

彼はいつもメンバーの誕生日は誰よりも先に
連絡を入れたり電話したりなどする人やった。
でもそんな彼が電話やメールも何一つなかった。
「いつもの俺ら」やったら
仕事なんかな〜とかで済むと思う。
でも今年の誕生日は訳が違う。
のんちゃんからは「いつもの」が消えたんや。
のんちゃん以外の俺らも「いつもの」が消えた。
この間久しぶりにマネージャーがのんちゃん
の病室に行ったら
思いのほかぐったりしていて寝ているのが当たり前。
手足ももういつも通りに動かせず
車いすを乗るのもやっとのこと。
更には酸素マスクをつけているらしい。
神山智洋
神山智洋
のんちゃん…。
こんなに心が痛い誕生日は初めてやった。
こんなに「当たり前」や「いつもの」が心を
痛めるのも初めてやった。
神山智洋
神山智洋
会いに行ったら…迷惑よな。
何故かわからんけど
今1番会いたい。
声を聞きたい。のんちゃんの。
神ちゃん〜〜!って
また腕を大きく広げて俺を優しく抱きしめて欲しい。
俺が何か食べてたら何食べてるん〜!?って
言って隣に来て欲しい。
濵ちゃんが居なかったら俺に甘えてくる
のんちゃんが愛おしい。

「当たり前」が戻って欲しい。
「当たり前」が愛おしい。
俺らの当たり前はのんちゃんが居ることや。
神山智洋
神山智洋
今度は俺がのんちゃんに甘えたいよ…。
それからしばらくして
何もすることがなく今から寝ようと思っていた
まさにその時やった。


携帯が鳴った。
液晶画面を見ずに携帯を手に取り
慣れた手つきで受話器マークを横にスライドし
耳に当てた。
神山智洋
神山智洋
📱もしもし?
小瀧望
小瀧望
📱神ちゃん…?
電話の奥から聞こえたのは
か細い声ででもはっきりと強く俺の名前を呼んだ
のんちゃんやった。
神山智洋
神山智洋
📱のんちゃん?俺やで?
神ちゃんやで〜?どないしたん?
小瀧望
小瀧望
📱手がもう使えにくくて
キーボード打つのに時間かかっちゃったから
電話にした。
遅くなってごめん。
誕生日おめでとう、神ちゃん。
神ちゃん、大好きやで…。
手がもう俺らみたいに自由に動かせないのんちゃん。
そっか…。
俺らが「当たり前」のように使っている物ももう
のんちゃんからしたらもう使えにくくなっているんやな。
神山智洋
神山智洋
📱…ごめんな?のんちゃん。
小瀧望
小瀧望
📱なんで謝るん…?
神山智洋
神山智洋
📱電話ももしかしたら
使えにくかったんちゃう?
それと…大好きやでって言わんとってや…。
小瀧望
小瀧望
📱神ちゃん…?
神山智洋
神山智洋
📱最後みたいになるやん…。
それに、俺やってのんちゃんのこと
大好きやわ!
小瀧望
小瀧望
📱……ふふっ。
神ちゃんらしいね。
なぁ神ちゃん、明日空いてる?
神山智洋
神山智洋
📱空いてるで?
小瀧望
小瀧望
📱誕生日プレゼント…、
明日渡すから…。
もう寝るやんな?ごめんな?
おやすみ。
神山智洋
神山智洋
📱ありがとう。
のんちゃんも。暖かくして寝るんやで?
小瀧望
小瀧望
📱んふっ。はぁい。
それじゃと2人で一緒に電話を切った。


「大好きやで」ってこんなに胸が痛かったんやっけ?
「おめでとう」ってこんなに胸が痛かったんやっけ?

嬉しい言葉のはずなのに
今日は何故か心が痛む。
いつもやった笑って俺やって!とか
ありがとう!って返事できるのに
今日は何故か返事ができない俺が居る。
…ちゃう、心が返事出来ひん。









絶対離れないって…
のんちゃんなら絶対俺らを置いていかないって
信じてるのに…
信じなあかんのに…。
なのになんでこんなに胸が痛いんやろ。
なんでこんなに胸が…心が苦しいんやろう。







明日が来て欲しい。
早く、明日が来て欲しい。
明日が来ればのんちゃんに会える。
心から笑える2人とも。
そうやろ?
のんちゃんも俺に会えば笑ってくれるやろ?
神ちゃん〜!って笑ってくれるやろ?
何も変わらんやろ?「当たり前」やろ?

















なんだかのんちゃんの声が聞こえたような…。
なんだかのんちゃんの笑顔が見えたような…。

俺の27歳になったばかりの空は
のんちゃんらしく綺麗な紺碧色の空で
星が輝いていた。
きっとこの星はのんちゃんの笑顔で
それを支えているのは俺らかな…。
そうやったらええな…。




















明日の準備を適当に済まし
またベットに入った。
流れる涙に気付かないふりをしながら。