流星side
8月18日 午前12:00になった瞬間
鳴り止まない携帯。
共演者の方からや仲のいい地元の友達
スタッフさんそして…
俺以外の5人のメンバー。
もう来ないって分かってるんやけど
何故か待ってしまう俺がいた。
何回もトークをスライドしたり
あえて通知が分かるように音を大きくしたり…。
でももう来ないんや。
望からの「おめでとう」が。
望の長文がもう来ない。
望からの飯の誘いも。何も来ない。
電話も…何も来ない。
もう望からは何も無いんや…。
苦しく痛む胸に気付かないふりをして
そのまま俺はベッドに入って目を閉じた。
俺の目の前に…望が居る…?
俺の誕生日は覚えてたけど
今俺が動揺しているのは目の前に
望が居るからやで?
おい、行くなよ…。消えんなって!
おい、まだ俺望に言いたいことあるから…。
なぁ、望…?望!
目が覚めたら外は綺麗な青空と
大きな太陽が俺を照らしていた。
あぁ、夢やったんや。
夢に望が出てきてくれただけで嬉しかった。
でも…夢だとしても気になることがあった。
ベッドから出て顔洗って簡単に荷物をまとめて
家を出る。
俺が向かう場所は、たった一つ。
望の家だ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。