望side
濱ちゃんが俺を抱きしめて背中をさすってくれた。
いつの間に来たんやろう………………。
嬉しかった。
でも、もっと嬉しかったのは
濱ちゃんが言ってくれた言葉だった。
濱ちゃんはほんまに優しい。
その優しさに甘えてしまう。
迷惑かけたらあかんのに…
濱ちゃんずるいよ…
余計に涙止まらなくなった。
俺は落ち着いた頃に
濱ちゃんに言った。
「守る」ってこんなに
優しくて温まる言葉なんやな。
安心の方の涙が誘った。
頬を濡らした。
濱ちゃんの服も俺の涙で1部分だけ
濃くなっていた。
それから
メンバーにいつ言うかなど
これからのことを濱ちゃんと話した。
メンバーに言う日にちは
来週の仕事で言うことに決まった。
皆どんな反応するかな…。
晩御飯も食べて、風呂も入って、
今は濱ちゃんと並んでベットに入ってる。
濱ちゃんは本当に暖かい人
本当に出会えてよかった。
そう思いながら、俺は寝た。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!