神山side
あれからすぐにメンバー全員が俺の家に来て
さっき話したことをしげが全員に言った。
俺は料理の再開。
離れたところからしげ達を見守っていた。
全員が顔を曇らした。
でもそんな中1人だけ声を出した。
「良い機会」それはきっと
俺らが前を向いててっぺんを目指すための再スタート
俺らがのんちゃんを思いながらまた歩くこと、
歌っていくことを意味していると思った。
それから俺らは俺が作った料理を囲みながら
本番何を歌うか、何をすればのんちゃんに
俺らの思いが届くかなど色々話し合った。
しげは携帯を持ってスタッフさんやら
マネージャーに連絡を取っていた。
しげは俺らの代表として
素晴らしい仕事を引き受けたと思ってる。
楽屋で俺決まったと話してくれたあの日
俺らも嬉しくて夢のひとつをグループ代表で
叶えてくれることが本当に誇らしく思って
俺らは「良く食いこんだ」と背中を押した。
初めてだらけで分からないことだらけだと思うけど
俺らがちゃんと居るし先輩もちゃんと居るから
しげはしげらしく番組を盛り上げて欲しい。
大丈夫、しげなら行けるで。
大丈夫、しげならやれるで。
大丈夫、大丈夫。
俺らに背を向けて電話をしているしげの背中に
頑張れと背中を押した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。