第32話
アメノチハレ㉜
望side
飲み物を買うため、濵ちゃんと一緒に
自動販売機へ
まぁ、僕らの間には沈黙なんてある訳ない
知ってる?
俺、濵ちゃんのことめっちゃ好きやねん。
ふと横を見た時、濵ちゃんが
一瞬だけ悲しそうな顔をしていたのは
気のせいだろうか…。
気がついたら
自動販売機の前まで来ていた。
せっかくだから
ちょっと高いの選んじゃお 笑
その時だった。
ドン!
俺の前にしゃがんで
濵ちゃんは手を差し伸べてくれた
俺はその手を掴んで
立つ
はずだった。
力が入んない。
濵ちゃんも分かったみたいで
俺のことを抱き上げてくれた。
俺は泣いてしまった。
この後、雑誌の撮影やって言うのに…
俺を励ますように
俺の背中を優しく撫でてくれた。
それから俺は
ずっと泣いてた。
ホンマに弱いな。俺。
情けない…
「頑張る」って決めたのに。
「もう泣かない」って決めたのに。
どうしてこういう時に限って人は…いや、
俺は涙が止まらないんだろう。
あれから何分経ったやろう。
泣き顔どうしよう。
きっと目、真っ赤やろうな。
ありがとう
ありがとう濵ちゃん。
感謝してもしきれないって
こういうことやろうな