神山side
仕事が終わって誰かから連絡ないかなと
LINEを開いた瞬間、流星からLINEが来た。
流星のLINEに返信をして帰りの準備をした。
車の中でマネから聞いたら今日の午前
流星と連絡が取れないとしげに電話したら
しげが真っ先に行動してくれたらしい。
そしてしげが流星と連絡取れたとマネに連絡したら
どうやら流星はのんちゃんが入院してた
病院に行ってたんやと。
だからのんちゃんのことで話がるんやって
その時にやっと理解した。
流星の家まで送ってくれたマネに礼を言って
車から降り、流星の家のインターホンを鳴らした。
鍵空いてると照史が答え、ドアを開け
中に入った。
靴はもう既に俺以外の5個揃っていた。
いつもなら俺が来たら
神ちゃん!神ちゃん!って
飛びついてきたのんちゃん。
あの人懐っこい笑顔と末っ子らしい性格で
抱きついたり、寄ってきたり…。
そんな可愛いのんちゃんがもう居ないなんて
考えにくくて…
もしかしたらどっかに隠れてるんちゃうかなって
思いながらリビングに繋がる1つのドアを開けた。
どこを探してものんちゃんは居らず
俺に気がついたしげは手を振って
お茶を飲んでた。
年上組は小さなダイニングテーブルを囲みながら
写真を見て話をしていた。
楽しそうに話している兄組の背中を見ながら
しげが言った。
のんちゃんのことを楽しそうに話しているから
こそなのか…
兄組にしか分からない楽しい思い出話も
あるからなのか…
独特な空気を醸し出している3人のところに
俺もなかなか行けなかった。
流星が6人分の炒飯を作ってくれて
皆もちょうど腹が減ってたのか
それとものんちゃんの話が気になるのか…
パクパクとスプーンが進んであっという間に
お皿に盛り付けられていた炒飯も無くなっていた。
流星が大きな紙袋を机の上に置いて
中から日記帳と写真と短冊を取り出した。
しげが立ち上がってあるページの日記帳を
開いて俺らの前に置いた。
日記の中にあえて書かずに
本音用のページを作って書いたような
ところに書かれていた言葉は
どれものんちゃんの本音のように思えて
なんで気が付かなかったんやろうと後悔した。
俺は最初しげがどういう意味で行ったのか
分からなかったけど、ページを進むにつれて
しげが言った意味が分かった。
7月1日の欄を見て
耐えてたはずの涙が溢れ出た。
ずるいって…こんなん。のんちゃん…。
会いたくて会いたくて
涙が溢れて止まらない
会いたいって叫んでみても
声にならないから…
でもやっぱりもう一度だけ会いたい…。
俺の隣で笑ってて欲しかった。
ずっと…。
さっきまで俺の前にいたはずのしげが
俺の隣に来て肩を組んできた。
きっと今もどこかで
こんな俺らを見守ってくれてるであろう
のんちゃん。
風となって見てくれるのか
晴れとなって見てくれるのか
雨となって見てくれるのか
雪となって見てくれるのか
はまたま違う形で生まれ変わって
俺らのことを見守ってくれるのか…。
どんな姿でもきっと俺らは直ぐに分かるだらう。
のんちゃんはのんちゃんやから。
何年も一緒に過ごしたメンバーやから
すぐにわかると思う。
この世界のどこかで生きているのんちゃんへ。
のんちゃんの分まで幸せになって
その幸せのはんぶんをのんちゃんにあげるよ。
生まれ変わった姿ののんちゃんも
楽しい人生が待ってると信じてるから。
生まれ変わった姿でまた会おう。
そして生まれ変わった人生の幸せ
俺にも分けてな?
一緒にはんぶんこしような。のんちゃん。
神ちゃん短冊〜!!
神ちゃんへ
①また京セラでライブやって
②東京ドーム絶対成功させて
③神ちゃん作詞作曲歌いたい
④神ちゃんの振り付け辛いけど踊りたい
⑤神ちゃんとユニット
⑥神ちゃんの歌声聞きたい
⑦どんな所でも神ちゃんのこと見守ってる
⑧俺の分まで幸せになって
⑨俺の分まで生きて
⑩愛しています、神ちゃん。
⑪沢山言いたいことあるけどまた改めて言うね。
⑫大好き、ありがとう、愛してるよ神ちゃん。
⑬ダンス上手くて歌も上手くてギター出来て
面倒見よくて、オカンで笑笑
ちっさくて可愛くて最高のメンバーこと
神山智洋が大好きです。
⑭俺の事、忘れないでね。
⑮生まれ変わったら一番最初に見つけて。
⑯生まれ変わったらまたはんぶんこしよう。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。