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第2話

あの日、あの時間に
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2020/05/17 09:53
ふとアイツが気になったのはあの時。

入学して1ヶ月たったあの日。

放課後えいちゃん達を待つがてら

教室を回っていた時

ふと、音楽室から歌が聴こえてきた。気になり

ふと教室を覗き込んだ先は

クラスでヤンキーと有名な影村樹だった。

ピアスは両耳10個以上空いていて

やんちゃなマホトやジンとしか話さない。

そんなヤツで悪いイメージしか無かった。

あんな奴女捨ててるって。



でも歌ってる姿は悔しくも綺麗で

何処か儚かった。

優しい高音は触れると消えてしまいそうで

そんな歌声は直ぐに耳に優しく入ってきて

俺を虜にして、その影村の歌に俺は聴き惚れていた。
でもそんな俺をすぐに影村は気づいて

ニコリと笑った
影村 樹
あ!同じクラスの奴なんな!
ウチ影村樹!よろしくなぁ!
にっこり笑った影村はゴリゴリの関西弁で

すごくびっくりした。

でも想像したよりフワフワしていて優しかった。
大木 空 side
俺大木空。空って呼んで?
てか樹ちゃん関西弁なんだ!
悪いヤツっぽくも無かったので俺も

自己紹介する事にして

いつも女の子に話し掛けるように話しかけた。

すると影村は俺が話し掛けた事が相当嬉しいらしく、

ニコニコしていた。
影村 樹
そうやねん笑うち京都出身やから笑
影村 樹
うちの事も樹ってよんで!
そう柔らかく笑うと急に真顔になり

こっちに歩きながら低い声で呟いた
影村 樹
やけど
そう言って俺の所に来たと思えば

俺の首をゆびで触り

ボタンをふたつ開けていて

見えている鎖骨までそわせた。
影村 樹
次うちの前でその気持ち悪い
呼び方したら首引きちぎるから。
沿わせた指先と冴えた目は

凄く色っぽくて

身体中に鳥肌が立つような

ドスの効いた声だった。

だが樹は直ぐに表情を戻し

女やからって見られるん嫌やねんと

無邪気に笑った

でもその笑顔からは

きっと深い傷とトラウマの

臭いがした。

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