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ふとアイツが気になったのはあの時。
入学して1ヶ月たったあの日。
放課後えいちゃん達を待つがてら
教室を回っていた時
ふと、音楽室から歌が聴こえてきた。気になり
ふと教室を覗き込んだ先は
クラスでヤンキーと有名な影村樹だった。
ピアスは両耳10個以上空いていて
やんちゃなマホトやジンとしか話さない。
そんなヤツで悪いイメージしか無かった。
あんな奴女捨ててるって。
でも歌ってる姿は悔しくも綺麗で
何処か儚かった。
優しい高音は触れると消えてしまいそうで
そんな歌声は直ぐに耳に優しく入ってきて
俺を虜にして、その影村の歌に俺は聴き惚れていた。
でもそんな俺をすぐに影村は気づいて
ニコリと笑った
にっこり笑った影村はゴリゴリの関西弁で
すごくびっくりした。
でも想像したよりフワフワしていて優しかった。
悪いヤツっぽくも無かったので俺も
自己紹介する事にして
いつも女の子に話し掛けるように話しかけた。
すると影村は俺が話し掛けた事が相当嬉しいらしく、
ニコニコしていた。
そう柔らかく笑うと急に真顔になり
こっちに歩きながら低い声で呟いた
そう言って俺の所に来たと思えば
俺の首をゆびで触り
ボタンをふたつ開けていて
見えている鎖骨までそわせた。
沿わせた指先と冴えた目は
凄く色っぽくて
身体中に鳥肌が立つような
ドスの効いた声だった。
だが樹は直ぐに表情を戻し
女やからって見られるん嫌やねんと
無邪気に笑った
でもその笑顔からは
きっと深い傷とトラウマの
臭いがした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。