第5話

記憶
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2019/05/25 13:07
~マサイside~
シルクのLINEが消えていた。
それに気づいたのはあの日の翌日だった。
今後どうするのかとか色々考えながら
グループLINEを開いた。
そこに写っていたのは
『シルクロードが退会しました』
それを見て俺はシルクの部屋に行った。
下の階だからすぐ着いた。
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
出ない…。
マ「おいシルク!開けろよ!」
ガチャッ
シルクが出てきた。


でもすぐどこかへ行こうとしていた。
マ「あ、おい!どこ行くんだよ!」
シルクの腕を引っ張る。
するとシルクの体がビクッとなった。
顔を見ると驚いたような表情。
シ「…え、誰ですか?」
マ「は?」
キョトンっとした表情。
知らない人に声をかけられた焦り。
多分こいつは嘘をついていない。
長年の付き合いだ、分かる。
マ「お前…は?俺の事覚えてないのか?」
シ「えっと…どこかでお会いしましたか?」
なんだよ、それ。
マ「…あ!お前、自分の名前言えるか?!」
シ「えっと…絹張と言います。」
あ…。
だめだ。
完全に忘れてやがる。
俺は悔しさでいっぱいだった。
今後のことより
昨日の事を
今までのことを忘れられた絶望感。
マ「…っ、くそ!」
シ「‪Σ( ˙꒳​˙ ;)ビク‬」
思わず出した大声にシルクはびっくりしていた。
シ「えっと…大丈夫ですか?」
昨日、たった一言ごめんねって言えてれば?
こんなことにはなってなかったの?
あれだけの喧嘩で
俺達の関係は崩壊したのか。

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