ザカオの呼吸に気づけてよかった。
俺はザカオを抱えてソファまで連れてきた。
ベッドの方がいいかと思ったがマサイの部屋は
機械が多すぎる(--;)
でも早く気づけたからなんとかザカオが
気を失わなくて済んだ。
ザ「は、ぁ…ひゅっ、はっ、はぁ、はぁ」
ダ「ザカオ、ゆっくり深呼吸しよう」
ぺ「ザカオ、お水だよ!飲める?」
ぺけが渡した水をゆっくり飲もうとするザカオ。
ザ「…ゴク…けほ、はぁ、ゴク…ひゅ…っケホケホ」
ダ「おい無理はすんな」
ザカオをベッドへ寝かせゆっくり優しく胸を叩く。
ザ「はぁ…は、ぁ……はぁ…」
だんだん落ち着いてきたみたいだ。
ぺ「ちょっと落ち着いてきたみたいだね」
ダ「ぺけ、タオルケットか毛布持ってきてくれ」
ぺ「おけ!マサイのベッドからでいいよね(*^^*)」
ダ「おうw」
ザ「…はぁ…ふた、り…とも…は、ぁ…ごめ…ゲホ」
ダ「いいからお前は喋るな。お前は何も悪くないよ」
ザカオの目から大粒の涙が流れた。
こいつは我慢しすぎだ。
今この状態だからこそ変化に気づけたものの
今までだってきっとたくさん溜め込んできたに違いない。
ぺ「はいザカオ!毛布かけるね!」
ザ「あ…りが、とゲホゲホ」
ダ「よしよし、大丈夫だからヽ(・ω・`)ポンポン」
これはゆっくり寝かしつけるようにザカオの胸を叩いた。
ダ「ザカオ、このまま寝ていいぞ」
ザ「……グス、どこにも、行かない?」
ダ「大丈夫!ザカオが起きるまでここにいるよ」
そのうちザカオも病院へ連れて行った方が良さそうだな。
しばらくはダンスも無理そうだ。
俺たちはザカオからできるだけ離れないように。
どっちにしてもしばらくは
シルクのこともあるし撮影は出るように言った。
仕事は自宅でのを回してもらおう。
ぺ「ダーマ、俺向こう見てくる」
ダ「ん、頼むわ」
ぺけが撮影の状況を見に行ってくれた。
昨日今日のことなのに色んなことがありすぎた。
グループの解散
ザカオの精神異常
シルクの記憶喪失
他にもメンバー同士の喧嘩とかもあったようだ。
俺はザカオの手をギュッと握った。
ダ「俺は…俺の居場所は…ここしか有り得ねえんだよ…」
仕事が上手くいかない時
なんとなく家に帰りたくなかった時
落ち込むことがあっても
コイツらと一緒にいればそれだけで笑顔になれた。
ザ「……ん…。だ……まぁ……ぺ、けぇ。」
寝言で俺とぺけの名前を呼んでいる。
夢の中ではみんな一緒にいたらいいな。
ガチャ
ぺ「ただいま〜」
ダ「おう、向こうどんな感じ?」
ぺ「とりあえず撮り終わったみたい!あと多分すぐに動画出すと思う。」
ダ「そっか」
今はみんな辛い時期なんだよな。
ダ「……シルクに会いてえな…」
ぺ「ん?呼んでこようか?」
ダ「違くてw…記憶を無くす前のシルクに。」
ぺ「…そうだね。」
あいつもシルクロードだ。
いや、あいつは…絹張諒?
あいつは誰だ?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。