ある日_
いつも薪を取っている森まで
ここから片道1時間はかかる
けどたまには森まで歩くのも
いいかもしれない
この時の事
今でも後悔してる
何で気づけなかったんだろう…
あの時の繰り返しだったって事を
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薪を集めたあと
ふと空を見上げると
日は傾き出していて
月も段々と顔を出していた
皆が待ってる
帰ろう、幸せが溢れるあの家へ
でも小さい頃から歩いているから
このくらい慣れっこだ
この森も私を育ててくれた
私の好きな場所
ようやく村の明かりが見えた…って思った
でもその光景に目を疑った
明かりじゃなかったんだ
私が目にしたのは
火の海になっている
私の生まれ故郷
何が起こったのか理解出来ない
息が苦しい
人の叫び声でようやく我に返った
それに濃ゆい多くの人の血の匂い
それに鬼の気配…?
これは、まさか_
私は急いで村に向かった
凄く嫌な予感がする
どうかこの予感が外れていますように
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。