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第103話

🌧
義勇
義勇
着いたぞ
義勇さんに無理を言って連れてきてもらった場所

一夜で火の海になり壊滅した

私の生まれ故郷
あなた

ここが…

もう何もかもない

家も人も皆の笑い声も

あるのは1つの大きな黒い穴
あなた

皆、ただいま…

私の声は静かにこだました

もう誰からの『おかえり』もない

静かで虚しい焼け野原
あなた

ごめんね…
痛かったよね、苦しかったよね

あの時

振り返って助けに戻っていたら

何か変わったのかな

今とは違う道があったんじゃないかな
あなた

帰ってきてよ…!

いくら歩いても探しても

今までの幸せや日常は見つからない

跡形もなく思い出は消されなんだ
あなた

うわああああああああ!

あの時救えなかった多くの命

目の前で家族を殺された事

その事が今になって重く心に響く
義勇
義勇
そうだ…今は沢山泣け
感情を押し殺すな
私は声と涙が枯れるまで

義勇さんの横で泣き続けた
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義勇
義勇
これで全部か?
あなた

…ありがとうございます

あれからしばらくして

皆のお墓を作ることにした

お墓を作っている間

義勇さんは何も言わず手を貸してくれた
あなた

これだったら寂しくないよね
どうか安らかに…

あの日

皆の体は家と一緒に焼けてしまった

だけど形はなくとも

ここに来れば皆がいるって信じてる
あなた

皆の分まで生き抜いてみせる
“雨宮”の子だもん…大丈夫

もう泣くだけ泣いた

弱音も不満も憎しみも全部はきだした

もう泣き事なんて言わない

強く生きるって決めたから
あなた

義勇さん…最後に

義勇
義勇
何だ?
あなた

髪を切ってくれませんか?

母さんによく言われた

『あなたの髪は長くて綺麗な青色ね』って

とても嬉しかった

だけどもう過去には囚われない

それが私の決意の証
義勇
義勇
…いいんだな?
あなた

はい

静かに落ちていく青い髪

後悔なんてしていない

いつまでも昔の私じゃいられない
あなた

…ここに置いていくね
私の体の一部、皆と一緒にいさせて

バッサリと切った髪を

お墓にそっと添えた
義勇
義勇
…行くか
あなた

はい

もう振り返らない

前だけ見て生きるの
母
母
『あなた』
妹
妹
『お姉ちゃん』
弟
弟
『姉ちゃん』
じゃあね

私の大好きな家族 村の皆

生まれ故郷

私はここに生まれて幸せだったよ
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