義勇side
胡蝶が指さす方向には
原初の鬼と
青い髪の少女
宇随が思っていた通り
少女は捨て身で原初の鬼に立ち向かって行った
無防備で…?
そんなの死にに行くのと同じだ
時透が少女の首元をトンっとすると
一気に体から崩れ落ち気絶した
楽しそうに笑う原初の鬼
口や手からは血が滴り落ちている
こいつ…本当に村人を…
何なんだこいつは
俺たちを前にして
どうしてそんなに笑っていられる
余裕そうな顔を隠された
何かおぞましい気配
こいつ…この村の人を何とも思っていない
こいつだけは許せない
だが原初の鬼はいとも容易く
俺たちの攻撃を避けた
そう言って原初の鬼は姿を消した
俺たち柱は何も出来ずに
易々とあいつを逃がしてしまった
俺たちはその日
鬼を逃がしてしまった事
村の滅亡を止められなかった事への責任を
強く重く感じた
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。