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これは私が
義勇さんの家に来たばかりの時の話
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義勇さんは家に帰ると
必ずそう言う
だけど私は
まだ家だという感じがしなくて
今までのような家の雰囲気より程遠くて
義勇さんがいるのに
寂しくて虚しかった
ここは私が帰りたい所じゃない
ここは私の居場所じゃない
毎日そう思いながら悲しみに浸っていた
でもある時 義勇さんは言った
『慣れない』よりは『怖かった』んだ
私が何を言っても返ってこない気がして
少しの事でもあの夜を思い出す
ただ私の声がこだまするだけのあの場所を
嬉しかった その言葉が
こうして私を迎え入れてくれている
それは涙が出るくらいに
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今じゃこの家はかけがえのないもの
義勇さんとの思い出が沢山詰まった
とても温かいところ
ここが私の帰る場所
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。