炭治郎side
目の前にいるあなたは本当のあなたなのか?
俺の知らない彼女がそこにいた
憎しみと抱えきれないような悲しい匂い
俺はいつの間にか泣いていたんだ
この悲しい匂いの原因は冨岡さんじゃない
もっと違う何かがある
あなたは俺たちには気づいてなくて
ひたすら刀を振り続けていた
あなたは何かに取り憑かれているようだった
もういいんだ、あなた
鬼はもういないんだ もう十分だ
無意識に俺はあなたを抱き寄せていた
もうあなたのこんな姿見たくない
その言葉と共にフッとあなたは意識を失った
よほど辛かったんだろうな
泣いた後が痛々しいほど残ってる
俺は静かにあなたを抱き上げた
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!