稀血…
あの鬼もずっと言ってた
何でも特別な血なんだって
自分の力欲しさの為に
村の皆を貪り尽くしたの…?
起きてからずっと違和感があった
鏡を覗くと片目がうっすらと
赤色に染まっていた
鏡に映る自分が怖い
この体に流れている血が憎い
そうやってこれから先
自分自身を憎んで生きていくしか道はない
『あなたの目は綺麗だ』と村の皆が言ってくれた
私の自慢の青色の目
それなのに怒りで支配されその目はなくなった
どうしてこの人の言うことは
嘘じゃないって思うんだろう
そうだ…
この血は皆と繋がっている
私が大好きな家族…“雨宮家”の血だ
そっか
まだ名前言ってなかったっけ
そんな回りくどい言い方しなくてもいいのに
母さん、皆
私はこの名前に誇りをもって生きていくよ
“雨宮”を背負って
皆の未来の礎になる
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。