炭治郎side
そう言って禰豆子を木箱から出した時
一瞬だけあなたの顔が険しくなった
そしてあなたの表情は一変した
殺気だった顔
怒ったような匂い
そしてあなたはゆっくりと日輪刀を構えた
深い青色の刃が禰豆子の喉元に向けられている
分かってる
俺も鬼殺隊だ
あなたは正しいことを言ってるって分かってる
だけど_
あなたが義勇さんの事を大事に思っているように
俺も禰豆子の事が大事なんだ
それを知ってほしくて
禰豆子もあなたの力になれるかもと思って
あなたからは
殺意の匂いと
少しばかりだけど戸惑いの匂いもする
だけどそんなのはほんの一瞬のことで
俺が止める前に
あなたは禰豆子の首ギリギリのところで
刃先を止めていた
あなたは異常なほど静かだった
それとは裏腹に目は憎しみがこもっていた
あなた…
君は過去に何があったんだ
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!