ドアを開けた師匠。その中で待っていた人物は──
2人はそう言って笑った。
私は驚いて師匠の顔を見る。
私が途切れ途切れにそう胸にある気持ちを言葉にすると3人は目を合わせて微笑んだ。
そう言って空虚──否、愛芽は師匠の顔を覗き込むようにしてそう尋ねた。
愛翔はそう言って胸に手を当てた。
そう言って2人は手を繋いでお互いのおでことおでこをくっつけた。そんな2人を見ていると私が今普通に暮らせていることがとても幸せに感じる。
私がそう考え込んでいると2人は私の方を見てお礼を述べた。
2人を外まで連れ出したのは師匠だし、2人を含め私たちを身をもって助けてくれたのは妖艶だ。
3人がそう次々にそう言って私を見る。3人がそう言ってくれるなら少しは活躍したと思ってもいいの…かな。
私はチラチラと2人の方を見ながらそういう。
私が驚いて声を上げると愛芽は悲しそうなめで私を見た。
私が「お姉ちゃん」か…。いや〜私今まで呼ばれたことがなかったから何だか新鮮〜!!
2人はそう言って笑いあった。
しまった。初「お姉ちゃん」でつい照れてしまった。
2人は上目遣いでそう言う。
師匠が困り顔でそう言う。
愛芽の上目遣い攻撃を一刀両断する師匠。
「いや、妹のことをなんだと思ってるの!?」という陽菜の声が聞こえてきた気がするが多分気のせいだろう。今ここにツッコミ役がいないからだ。
私は胸に手を当ててそう言った。そう、この2人を守るってちゃんと──
私がその名前を口に出すと2人は目を見開いた。
私がそう言うと愛芽は悲しそうに顔を伏せ、愛翔は妖艶の名前をつぶやく。
私は顔を伏せながらそう言う。
私が言葉に詰まって声を出せずにいると、愛翔と愛芽が私の手をぎゅ、っと握った。
2人はそう言って私を抱きしめる。
そして私もぎゅ、と2人を抱きしめる。
そして私たちは微笑みあった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。