空疎が手を握りしめて震わせながらそう言う。
妖艶は大きく目を見開いて震えた声でそう言った。
空虚が空疎の言葉を遮って妖艶にそう叫んだ。
空虚がそう言うと妖艶はハッとしたような表情をする。
空虚と空疎はそうハッキリ言い切るとしっかりと妖艶の目を見た。
妖艶はなぜか安心したように微笑んだ。
妖艶はそう言うとポロリと1粒、涙を流した。私はこの3人の関係性を全然知らない、知らないけどこれだけは分かる。3人は家族のような関係性なんだって事だけは。
2人はそうつぶやくと妖艶と同じように涙を流す。
2人は「名案だ」とでも言うようにそう言う。
師匠は2人に同意する意志をみせた。うん、私も賛成。こちらも情報が貰えるし、2人は妖艶と引き離されることはない。これは両方にとってWin-Winの関係なんじゃないかな?しかし、妖艶は私たちの予想とは全く違う返答をした。
空虚が心底驚いた表情をしてそう聞いた。
妖艶はそう言って視線を奥の方に送った。
妖艶がそう言った瞬間、美琴さんはハッとした様な顔をして師匠にこう言った。
すると、師匠もハッとしたような顔をしてすぐに耳に手を当てた。おそらく、忘却に連絡をとっているんだろう。襲撃…ッそうか、それがあったか…!
陽菜が落胆したような声を出す。
そうだ、前回は油断していただけで今度こそは簡単にやられたりしない。
妖艶は美琴さんの方を見ながらそう言った。
妖艶がそう尋ねると美琴さんは一瞬考える仕草をしたがすぐにハッキリとこう言った。
あ…そうか…!今渚さんがここにいないのは見張りをするためだけではない。人身売買の商品とされていた子供たちの護衛も兼ねているのか…!
美琴さんの後ろから師匠が出てきてそう言った。
渚さん、無事でよかった…!でも、これで「四面楚歌」の刺客がいることは確定した。どうしたらいいんだろう…
師匠が空疎と空虚の2人にそういいかけた時、妖艶がそう口にした。
妖艶はそう言うと顔を伏せた。そして、大きく深呼吸をしてもう一度前を向いてこう言った。
皆が驚いた表情をする。
妖艶はそう言って笑みをこぼす。
妖艶はそう言って優しく微笑む。
空虚が涙を流しながらそう言う。
妖艶も肩を震わせて涙を流す。それと同時に空疎と空虚は妖艶の元に走り出して抱きつく。
2人は妖艶の胸に顔を埋めてそう泣き叫ぶ。
師匠は2人を抱きしめ、頭を撫でている妖艶にそう尋ねる。
妖艶はその質問にハッキリと肯定した。もう覚悟が決まっている表情だ。
師匠は一瞬悲しそうに顔を歪める。しかし直ぐに何事も無かったかのような表情に戻り、2人に指示をした。
2人もなんとも言えないような顔をしている。私に…何か出来ることは無かったのだろうか。まだ抱きついてる3人を見てそう思う。3人にこんな心苦しい選択をさせてしまって…。せめて、今。今のわたしにできることを──。そう思い私は足を1歩踏み出した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。