第68話

会議
215
2023/05/21 03:00
師匠とのデートから1週間後、師匠から任務後恒例こうれいである集合命令のメールが来た。
楠若葉くすのきわかば
あ、麗華さん!
蒼乃麗華あおのれいか
…!
私が拠点へと行く途中、同じく拠点へ向かっているであろう麗華さんと出会った。
楠若葉くすのきわかば
珍しいですね、麗華さんがこの辺りにいるなんて!
蒼乃麗華あおのれいか
たまたま近くに用事があった…。
麗華さんはそう小さな声で答えると私の隣へと来て歩き出す。「可愛いな〜」と思いながら2人並んでしばらく歩くと拠点に到着した。
如月陽菜きさらぎひな
あれ?珍しい組み合わせじゃん!
九条渚くじょうなぎさ
あら、ほんと…!
拠点に着くとみんなが珍しいそうに私たちを見る。
楠若葉くすのきわかば
ふふっ、私も思いました!さっきたまたま会ったんですよー!ね、麗華さん?
私が隣にいる麗華の顔を見ながらそう尋ねると麗華さんはコクリとうなずいた。
乙音澪おとねみお
全員揃ったわね。始めるわよ。
みんな
はーい!
そう返事をして私たちは自分たちの席へと移動する。
乙音澪おとねみお
今回の任務は色々と手に入れた情報が多い。順を追って説明していくわね。
師匠はそう言うと今回の任務について説明しだした。主に愛芽や愛翔、妖艶による証言や、救出した子供たちとこと、そしてその後の対処についての事だった。
乙音澪おとねみお
救出した子供たちは先日全員もと過ごしていたところへと無事帰されたそうよ。
楠若葉くすのきわかば
良かった…!
私は入院していたからその辺のことはあまり知らなかったんだよね…。とにかく無事帰されて安心!
九条渚くじょうなぎさ
その子供たち、救出してから随分と時間が経っているようだけど…どうしてそんなに時間が…?
如月陽菜きさらぎひな
あ!それ私も気になってたー!
渚さんが首をかしげながらそう師匠に尋ねると陽菜も手を大きく挙げながらそう言った。
乙音澪おとねみお
誘拐されてから随分と時間が経っていた子たちが何人かいたみたいで身元特定に時間がかかったのよ。
九条渚くじょうなぎさ
なるほど…そうだったのね!
師匠がそう答えると渚さんは納得したように頷いた。
乙音澪おとねみお
愛芽と愛翔については…といってもみんなもう知っているわよね。若葉は置いといて…ねぇ?ストーカーさん達?
そう言って師匠は笑顔でみんなを見る。恐らく先週のデートの話だろう。
蒼乃麗華あおのれいか
うぐっ…
如月陽菜きさらぎひな
あは、あはは…青木養護施設だよね…
柊美琴ひいらぎみこと
ごめんなさい〜!そんなに睨まないでほしいんよぉぉぉ!
この件に関しては私はなにもフォローしないよ…。
乙音澪おとねみお
はぁ…、まぁいいわ。私からは以上だけれど他のみんなはどう?
如月陽菜きさらぎひな
特にないかなー!
九条渚くじょうなぎさ
異議なしよ!
私もみんなと同じ意見なので頷く。
乙音澪おとねみお
…みんななさそうね。では、今日はこれで解散よ。
師匠がそう言うとみんなが椅子から立ち上がり帰っていく。
楠若葉くすのきわかば
お疲れ様でした〜!
みんな
お疲れ様!
私はみんなと別れを告げると家へ向かって歩き出した。
楠若葉くすのきわかば
ん?あれ?
帰り道、ふとあることに気がつく。
楠若葉くすのきわかば
スマホ忘れた…!
確か最後使ったのは…うん、拠点だ。
楠若葉くすのきわかば
あぁ…めんどくさいいいい…!…はぁ、諦めて取りに帰ろう。
もう拠点から随分離れているのに…。もっと早く気づいたら良かった…。
私が拠点に着くと話し声が聞こえる。
楠若葉くすのきわかば
あれ…?もうみんな帰ったんじゃ…?
そう呟きながら声のする方へと足を進める。
楠若葉くすのきわかば
みんな…?
扉の隙間から部屋を除くとそこには私を除く「百花繚乱」のメンバーがいた。
柊美琴ひいらぎみこと
で?どうするの〜?澪。
九条渚くじょうなぎさ
そろそろ決断するべきよ。
如月陽菜きさらぎひな
澪…私は…ッ
みんな真剣な表情で話し合っている。一体何を…?
乙音澪おとねみお
分かっているわ。みんな。
師匠はそう言って一瞬俯き、そして再び顔を上げた。そして、こう言った。
乙音澪おとねみお
長年調べ続けた結果、ついに「四面楚歌」のボスは若葉の両親であることが確定したわ。やはり美琴の予想は正しかったようね。

プリ小説オーディオドラマ