そのあとしばらくみんなで会話をして楽しんだあと、私と師匠は2人お別れし、青木養護施設を出た。もちろん、「また来るね」と約束して。
私達が青木養護施設から出るともう日が沈みかけていた。
愛芽と愛翔と喋っていると話が尽きなくてこんな時間になってしまった…。
師匠とデートということなので門限を引き伸ばしてもらっていたのだ。
"デートとやら"って…。照れ屋さんだなぁ〜師匠は!ふふふっ、少し頬が赤くなってるし…。
師匠は少し私を睨む。これは怒っているのか、照れ隠しなのか…。
私はそう言って師匠の手を取って歩き出す。
そのあと私たちは商店街で食べ歩きをしたり、洋服屋さんを巡ったりとデートを楽しんだ。
ショッピングモールから出てきた私は手を大きく広げ、息を吸いながらそう言った。
師匠は頷きながらそう言った。
私は手に持っている服が入った紙袋を見てそう嘆く。
師匠は頬に手を当てて困ったように眉をひそめる。
今までそんな話したこと無かったからね…。また1つ師匠の事を知れて嬉しいな〜!
師匠は歩きながらそう言って私の前に立つ。
私かそう尋ねると師匠は振り返りながらこう言った。
師匠が連れてきてくれたのは私たちが住んでいる街を一望できる丘だった。しかも今は日が沈んでいるため、街が灯でキラキラと輝いているように見てる。
しかも、穴場スポットなのかこんな素敵な場所なのに人が私たち以外に誰もいない、貸切状態だ。
師匠はそう言うとゆっくりと目を閉じた。まるで師匠のお姉さんとの記憶を思い出すかのように。
師匠は目を開けると私の方を見てそう言った。
そう言って私は目を閉じる。な、何するんだろう…?ドキドキする…!すると、師匠は私の後ろに回って立ち止まる。目を瞑っていても人の動きがわかるようになってきたな…。そう思うことに集中して私はできるだけ師匠のことを考えないようにした。
首元にひんやりとした感覚がするのと同時に師匠が「もういいわよ。」と言った。
首元を見るとそこには赤い宝石がキラキラと輝くネックレスがあった。
私は嬉しくなってネックレスをぎゅっ、と優しく握りしめる。
師匠はそこまで言って首元に手を当て、何かを取り出す。
師匠とお揃いのネックレスなんて嬉しすぎる…っ!!今すぐにでも叫びたい気分だ。
師匠はそう言って微笑んだ。すると突然後ろの草むらからガサガサと音がした。
ん?この声…
師匠も気づいたのか溜息をつきながらそう言った。
美琴さんがそう言うとみんなは草むらから出てきた。
陽菜は草むらから出てきた途端、皆から責められてる。まぁ確かにバレたのは陽菜が前のめりになったのが原因だけど…だけど───
私はそれが気になって仕方がない。
みんなの代わりに師匠が答えてくれた。ん?最初から…?
陽菜は悔しそうにそう言いながら手を頭に当てた。
師匠は申し訳なさそうにそう言う。
師匠の言葉に納得している渚さんの隣で食べたオムライスを思い出したのか目をキラキラさせている麗華さん。か、可愛い…って違ううう!
みんながそう口々に言う。
私はみんなに向かってそう叫ぶ。
師匠はそう申し訳なさそうにそう言う。
陽菜はそう言いながら師匠の背中を軽く叩く。
私がそう言うと師匠が困ったようにため息をついた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!