第3話

Chapter.1. 目覚め
35
2020/09/21 06:00
目が覚めると、辺りは真っ暗で何も見えなかった。
私はいつの間にか眠っていて。
(なまえ)
あなた
…?
(なまえ)
あなた
…ここは…?
ここはどこだ。
(なまえ)
あなた
…私は、何をしていたんだっけ。
何も覚えてない。
何も見えない。
(なまえ)
あなた
まぁ、真っ暗だし。当然っちゃ当然だけどさ。
そんな独り言しながら、私は自嘲気味に笑う。
そして私は微かに優しい匂いがすることに気が付いた。
(なまえ)
あなた
…甘い匂い。
どこかで嗅いだような。
思い出せない。
(なまえ)
あなた
…もういいや。
私の心は不安でいっぱいなはずなのに。
何故だろう、ここには不思議な安心感がある。
ずっとここにいたいような、でも居てはいけないような不思議な雰囲気。
(なまえ)
あなた
…ずっと居たい。…でも、きっとダメなんだろうなぁ。
(なまえ)
あなた
…行かなきゃ。
どこに出るかわからないけれど。
なにがあるかわからないけれど。
ここを、出よう。
私は立ち上がる。

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