クリスマスの翌日
昨日まで愛花がいた病室はきれいに片付けられていた。
余命の一週間よりも短く旅立つなんて僕や周りの人は思わなかった。
愛花のお母さんや光里先輩、そして僕が泣き止むことはできなかった。
やっと落ち着いたのは、愛花が旅立ってから3日後だった。
ハルの家
ガチャン
光里
カランカラン
ハル
大学、図書館
(回想)
(回想終)
愛花と出会った頃を思い出すハル
そして、あっという間に夜になっていた。
ハルの家
そして、さらに3日後…1月1日
誰かと一緒にいなくちゃ今、精神が安定しない光里はずっとハルの家に住まわせてもらっていた。
二人は神社へ向かう
神社
賽銭箱と鈴の前に立ち
2人は願いを伝える
ハルは手紙をとりだし、はじめて内容を知る。そして、その願いを神様に伝える。
ハルは涙を流しながら、愛花の願いを願った。
光里は手紙の内容をみて、涙目になりながらニコリとした。
そして、2人は愛花のお母さんが待つ喫茶店へ向かう
カランカラン
多真霊園
そこには、きれいな新しいお墓があった。
母親はお墓に手を当てて
光里はお墓の前にしゃがみ
光里は立ち上がり
ハルはお墓の前にしゃがみ
ハルが見上げた空は青く、明るい空だった
まるで、愛花が笑顔で見守っているかのように
【終】
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。