ジョングク「...はじめまして」
相変わらず、グクの顔はぽかーんとしたまま。
ジョングク「なんで俺の名前を?」
あなた「だって、病室の前に書いてあったから」
私は、わざと初対面のフリをした。
今私とグクの関係を話してもきっとグクの頭が混乱するだけ。
あなた「ねぇ、お友達にならない?」
ジョングク「いいけど...俺、今何でここに居るのか分かんなくて」
あなた「じゃあ、一緒に思い出そ?」
グクは、コクっと頷いた。
ジョングク「まず、僕はなんでここに居るのか」
あなた「私...本当はジョングク君の近くに居たの」
ジョングク「...ほんとに?」
そう言ってグクは、顔を近づけてきた。
あなた(近っ...///)
ジョングク「俺はどうしたの?」
あなた「えと...車に轢かれた」
私をかばって轢かれてしまったことを、言うべきか迷った。
でも今は、あえて言わなかった。
ジョングク「そうなんだ...」
グクは、体の力が抜けたように、ベッドにもたれかかった。
ジョングク「そう言えば」
あなた「ん?」
ジョングク「俺は君をどこかで見たような気がする」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!