目を覚ますと、そこはベッドの上だった。
あなた「ん...頭いた...」
身に覚えのない痛みだった。
なんでここにいるのだろう。
『あっ、起きた?良かったぁ』
あなた「えっと、グクのお兄さん...?」
ホソク「そー!覚えてる?久しぶりだねえ」
あなた「なんでホソクさんがここに?」
ホソク「...あーやっぱ覚えてないかあ」
覚えてない?
私は何を忘れた?
ホソク「グクが...轢かれたのは覚えてる?」
あなた「え、ひ...轢かれた?」
ホソク「今、集中治療室で手術を...ってあなたちゃん!?」
痛みなんて関係ない。
私は走り出していた。
必死に走ってたどり着くと、まだ『治療中』のランプが付いたままだった。
あなた「そっか思い出した...グクは私をかばって...っ」
涙が止まらない。
しかも、走ってきたせいで余計苦しくなって
息が出来なくなった。
そして、また私は気を失った。
誰かの足音がする。
『先生っ!患者さんが倒れてます!』
『すぐにその子の名前と病室を調べて連れて行って──.....』
また会話が途中で途切れた。
目を覚ますと、外は真っ暗だった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。