「バレーしたぁい…」
『だーめ』
「トスぅ…」
『バレーはお預け。今日はちゃんと寝て』
「風邪なんて引いてない!」
『気持ちと心はね。でも身体は?』
「!…」
『翔陽は気持ちと心で動いたり,脳を働かせるから…ちゃんと身体がついて行けてない。だから身体を壊しちゃうんだよ』
「流石,医者って言うだけ,頭賢いな〜」
『当たり前。ちゃんと勉強してるんだから』
「俺も,早く風邪なんて治して,バレーしよ。」
『そうそう。だから,ちゃんと寝て?』
「はーい」
『…はい,ちょっと冷たいよ』
私は翔陽の頭に冷やしたタオルを置いた。
「気持ちぃー…」
『ふふっ。おやすみ』
「おやす…み…」
バンッッッ!
「あなたちゃーん!」
「日向ぁー!」
「はぁ…」
『木兎さん達,シーッ!』
「「!」」
『翔陽,今寝ましたから…』
「ご,ごめん…」
「起きてない…?」
『大丈夫ですよ。』
「全く…本当にうるさい…あなたちゃん,叱って」
『後でちゃんと叱りますから。今はゆっくり休ませてあげてください』
「「「…」」」
『…全く,あれだけ健康チャックしてるのに,風邪引くくらいバレーに熱中しちゃうんだから…』
「バレー馬鹿」
『一理ありますね。』
「まさか,ぶっ倒れるやなんてなぁ」
私はMSBYの専属マネージャー。
マネージャーといっても,体調関連の仕事をしている。
MSBYの皆の体調管理,食事法…
メンバーの健康を任されるマネージャー
それが私。
私がここに来たのは数ヶ月前。
自分よりも遥かに身長が高い男性ばかりで緊張したけど,
そんな中,私の緊張をほぐしてくれたのは…
「今日から,このMSBYのチームの健康管理のマネージャーをしてくれる,櫻谷あなたさんだ」
『櫻谷あなたです。皆さんが"自分なりのプレー"が出来るように,しっかり務めさせていただきます。宜しくお願いします』
「可愛えぇ子やなぁ,今度ご飯行かへん?」
『へ…?』
「早速ナンパかよ」
「うるさいなぁ,臣くん」
『あ,あの…』
「すーみませーん‼︎‼︎‼︎」
「「「!」」」
『!』
「はぁ,遅い…やっと来た…」
「遅れましたぁぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎」
「どないしたん,翔陽君?今日,ホンマに遅かったなぁ」
「道端のおばあちゃんを助けていたら,子供が公園から飛び出してきて…」
「助けたのか?」
「はい!ちょっと事故っぽいのにはなっちゃいましたけど…」
「ま,子供の命には越した事ないか」
「すみません…」
「良いよ,助かったんなら」
「ありがとうございます!」
「それじゃあ,始めようか」
「「「はーい!」」」
「どちら様ですか?」
『!』
「見学の人っスか?」
『私は,今日からMSBYの専属マネージャーを務める,櫻谷あなたです。』
「あー!言ってましたね!俺は日向翔陽!下の名前で呼びます!宜しく,あなた!」
『あ,はい!』
「俺が出来る事あったら,何でも言ってね!」
「翔陽君が出来る事って何?」
「また面倒な事やりそうだな。」
「荷物運びくらいできますぅ!」
「ホンマぁ?」
「女の子に重い荷物持たせるんですかぁ⁉︎」
「それはアカン!」
「でしょぉ⁉︎」
「おん!」
「うるさ…」
『元気,ですね』
「毎日こんなんだから,慣れるの大変かもしれないけど,頑張れよ」
『はい。でも,凄く気が楽になりました』
「…」
『頑張ります!』
「………俺,佐久早聖臣。宜しく」
『はい!宜しくお願いしますね。』
「…ん。」
・
・
・
『あんな事もあったなぁ…』
「「ん?」」
『あ,いや,何でもないです。』
「あなたちゃん,今あなたちゃんがここに来た時の事,思い出しとったやろ?」
『!』
「なんか,あなたちゃんの事分かるようになってきたわ」
「俺もー!なんか,段々馴染んで来た!」
「なんかぁ…家族みたいな?」
『家族?』
「おん。」
『…そうですか。じゃあ,皆さんのお世話,ちゃんとしないと!』
「そーそー!」
『じゃあ,』
「「?」」
『普段からプライベート以外の移動中は,出来る限りマスクを!手洗いもちゃんとして下さい!侑さんも木兎さんも,さっき洗ってなかったでしょ⁉︎』
「「ギクッ…」」
『いつも言ってるのに……ちゃーんと知ってるんですからね⁉︎』
「「はい…」」
『反省しましたか⁉︎』
「「ごめんなさい…」」
『じゃあ今からでも,手を洗って下さい!』
「「行ってきまぁす‼︎‼︎」」
『ふぅ…』
「なぁー…」
『!』
「あなた〜…」
『翔陽?』
「腹,減った…」
『ちゃんと寝た?』
「ぐっすり。」
『じゃあ,お粥食べる?』
「食べる!」
『(げ,元気,だなぁ…)』
・
・
・
『すみませーん』
「はーい?」
『食堂借りて良いですか?』
「良いですよ」
『ありがとうございます。ほら,翔陽,ここに座って』
「はーい…」
『卵粥で良い?』
「お願いしまーす!」
『もう…』
・
・
・
「おーい,臣くーん!」
「何してんだー?」
「…」
「いや,答えて⁉︎」
「……あれ」
「あ,日向とあなただ」
『はい,出来たよ』
「うわぁ,美味そー!」
『熱いから気をつけてね』
「いっただっきまーす!」
『はい,どうぞ。』
「熱っ⁉︎‼︎」
『言ったじゃない…もう…』
「あなたちゃーん,翔陽くーん!」
「!」
『あら,』
「日向ー,もう大丈夫なのかー?」
「いえ,まだ完全回復!って訳じゃないですけど…だいぶ楽になりました」
「良かったなぁ。」
「はい!」
『これからは,体調悪いなぁ…って思ったら,絶対に言う事!分かった⁉︎』
「は,はいぃ‼︎‼︎」
「あなたちゃんは,皆のお母さんやなぁ」
「だな!」
『お母さんにでもならなきゃ,貴方達は成長しないでしょ…?』
「「すみません‼︎‼︎」」
『全く…』
「あなたちゃん」
『はい?』
「俺もこれ,食べたいんだけど」
「臣くん?」
「あー!ちょっとそれ俺のお粥ー!」
『奪っちゃダメですよ。はい,翔陽』
「ありがと…」
『お昼ご飯で良いなら,食べますか?』
「食べる。」
『はい!』
「「俺らもー!」」
『はいはい。』
「なぁ,宮と木兎と佐久早知らないか?」
「日向ならまだしも,櫻谷さんまで居ないんだよ」
「なんでだぁ?」
「あ,」
「ん?」
「ここに居た。」
「うんまぁ!」
「いくらでも食える‼︎」
『幼稚園の子供じゃないんだから,急いで食べないでください!咽せますよ⁉︎』
「「大丈夫!」」
『貴方達の場合大丈夫じゃないから言ってるんじゃないですか…』
「美味い⁉︎」
「…」
「美味いんでしょ⁉︎」
「……ん,美味い」
「でしょぉ⁉︎」
「風邪治ってんじゃねぇのか…」
『臣くん,おかわりいりますか?』
「食べる。」
『はい!』
「「俺らもー!」」
『分かりましたから,静かにしてください!』
「「はい!」」
「……クスッ」
「…何笑ってんだよ」
「いえ!ただ,」
「?…」
『焦らなくても,誰も取りません!』
「「二回目,いただきまーす!」」
「…良いお嫁さんになってくれそうだなぁ,って。」
「…。(何コイツ…ガッツリ惚れてんじゃねぇか。)」
まぁ,渡さねぇけどな。
ん?
ん?ん?
オチってどこ?
オチガナニカワカラナーイ?
まぁ,MSBYのメンバーでの話ですね。
さぁ!日向なのか,臣くんなのか⁉︎
どっちだと思いますか…?
まぁ,どっちでも良いか!
二次元の推しに会えただけでどれだけ嬉しいか⁉︎⁉︎
私ゃ,ぶっ倒れるやろうけどな。
日向の声優さんは,村瀬歩さんですね!
この人,ギャップが凄いって思いました…
まず,両声が凄い。
女ですか,男ですか?
どちらでもちゃんとキャラに合うという,本当に凄い…!
後,英語ペラペーラ。
うん,凄い!
ただ…「あーん♡!」のやつだけは笑いましたが笑
ダーツするのに何をしているんだ,と笑
臣くんの声優さんは,烏海浩輔さん!
烏海さんはうたプリで知りました。
「帽子被ってる人だよな…」と考えた事もありました笑笑。
この人も幅広い…
凄いなぁ。
MSBYあんまり情報追いついてなくて…
間違ってるところあったら教えてください!
直しますので‼︎
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。