第26話

ハイキュー×及川徹×Part 2
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2021/01/28 15:20
「こら,あなたちゃん!」

『うぇ⁉︎』

「試合見に来てって言ったのに!来てくれなかったでしょ⁉︎」



今日は徹のバレー部の試合だった。



『う,うん…ちゃんと,見に行ったよ?』

「居なかった!全く見えなかった!探したけど,何処にも居なかった!」

『いや,でも…』

「マッキー達にも探してもらったんだから,見間違いは無いよ!」

『…』

「如何して,居なかったの?」

『…』



私は,確かに行った。

凄くカッコ良かった…

でも,其れと同じくらい




『……怖かった,だけ…』

「え?」

『…周りが,怖い…』




私は,観覧席で徹を見た。

いつもは,

「あなたちゃーん,弁当のお箸忘れてきちゃった!貸してー!」

とか,

「今日,部活オフなんだ。あなたちゃんの家行って良い?」

とか…。

いつもおちゃらけてるのに,試合になると

物凄くカッコ良くなる。

それを見に来る女の子も,多い。

今のところ,学校内で虐めなどは起きてない

私が柔道部に入ってて,気の強さとかも持っているから

皆,分かってくれた。

でも,他校やファンの人は知っていない





「…」

『偶に睨んできたりする…。"あの女誰?"とか,"どうせ他のファンでしょ?"とか…』

「…」

『普通の見られ方なのかもしれないけど…少しは怖いんだ…。』

「…そっか。じゃあ,コーチに言っとくよ」

『え…?』

「この及川さんに任せなさい!そんな不安,一気に無くしてあげる!」

『でも…』

「偶には,頼ってよ。いつもふざけてばっかだけど,ちゃんとした男だから。」

『…』

「コーチー!」



『徹!』



「ん?」

『…あ…』

「?」

『あ…ありがとう。』

「…うん!」














その3週間後の練習試合

私は徹に,


「絶対来てね!来なかったら3時間説教だから!」


と少し脅されて,来た。

相変わらず,観客席には女の子がいっぱいいる。

ふと,こんな会話が聞こえて来た。



「ねぇ,あの噂聞いた?」

「え?」

「及川先輩に,彼女居るって噂!」

「嘘⁉︎」

「ホントにショックー…」

「は,彼女誰よ⁉︎」

「さぁ?同じ青城に居る人らしいよ。」

「とっ捕まえて,刺してやろうかな」

「いや,メンヘラか」

「冗談だってー!」

「いや,じゃあ真顔で言うのやめてよ笑」

「ごめんて笑」




『…』




ここにいまーす

って,叫んでやろうか

そりゃ告白された時は,意味わからなかったけど…



「俺と,付き合ってください!」



って,最初に言った。

普通なら


「君の事がずっと前から好きだった」


とか,


「君の事が好きです」


とか,"好き"って言う気持ちを言うはずなのに

いきなり"付き合ってください"と徹は言った。

影で見ていたまだ一年生だった頃の,同じバレー部の花巻くん達は,

私が意味がわからないと伝えた時に

爆笑していたけど…

それでも,いつもチャラついてる徹が真剣な目で気持ちを伝えようとしてるのを見て

真っ直ぐ向き合ってみよう,と思った。



『…意外と…ギャップみたいな男が,タイプなんだよね…。』



「何の事?」



『!』

「やっほー」

『松川くん。』

「ここにいたんだな」

『え?』

「探してたんだよ。及川の奴が__」






「まーた,あなたちゃんが居ない!」

「そこら辺で見てるんじゃねぇの?」

「電話掛けても出ない!シカトか,コラ!」

「やだー,彼女ちゃんに口悪ーい」

「まっつん‼︎」

「ごめんて」

「試合開始まで後何分だ?」

「40分だ。」

「探してくる‼︎」

「あ,及川!」



「ったく…」

「…俺も探してくる」

「俺もー」

「…及川のアホを止める方法は,あなたしか無いらしいな。俺も行く」

「よーし,あなたを探すぞー!」






『徹が…』

「うん。試合前には戻ってきて欲しいし,あなたちゃんの力を借りたくてな」

『……わかったよ。』





向き合う,って決めたし


仕方無いなぁ…。






「はぁ…はぁ…」



「おい,及川!」

「走りすぎだ!試合前に体力使うなよ!」

「試合よりもあなたちゃん!約束したのに…!」

「「信じろよ!」」

「!」

「お,」

「あ,」

「…」

「被ったなぁ」

「おう」

「信じる?」

「だから,あなたちゃんはここに居るって」

「アイツはいつも来る。ちゃんとお前を見てる」

「…。」




「先輩ー!」




「国見…」

「どうしたの?」

「あなた先輩が呼んでるんですけど。」

「あなたが?」

「今どこ⁉︎」

「荷物置いた場所に。」














『………遅い。』




「あの…松川先輩…」

「何だ?」

「あなた先輩…なんか怖くないですか…?」

「あなたちゃんは柔道部だから気は強い。」

「いや…そうじゃなくて…」

「?…」

「なんか…ゴゴゴゴゴ…って効果音鳴ってる気がするんですけど…」

「……………気のせいって思いな。」

「はい。」





「あなたちゃーん‼︎‼︎」




『ようやく来たなぁ…』

「あなたちゃーん‼︎‼︎‼︎」

『グヘッ…』

「色々わからないけどすっごく心配したー!」

『あ,ごめん…』

「また来てくれなかったでしょ!」

『ごめん…』

「お願い。"ここ"で観て」

『ここ,って…ベンチで⁉︎』

「うん。」

『いや,でも…』

「良いですよね,コーチ!」



「佐々木。」



『!』

「俺らのバレー部のコーチね」

「観て行きなさい。」

『っ…』

「及川の頼みなんだ。"観てくれなかったら試合に出ない"と言ってな」

『出なさいよ!』

「嫌だ!ここで観てくれないなら出ない!」

『だったら帰るよ!』

「…………え?」

『カッコよくバスケする徹を観るためにここに来てるのに,意味なくなるじゃん…』

「ごめん!帰らないで!」

『はいはい。』

「ね?お願い。試合,ここで観て」

『何でここなの?私はいつも観覧席でちゃんと観てるのに…』

「だって…俺は試合中,あなたちゃんがどこに居るかわからないもん。俺の事を応援してくれてるあなたちゃんの声がどこから来てるか,ちゃんと分かりたい」

『まぁ確かに,声は偶にしか出さないけど…』

「声はちゃんと聞き分けてる。ちゃんと応援は聞こえてる」

『聞こえてるの…あんな小さい声が…?』

「でも,やっぱりどこに居るか分かってた方が,もっと応援されてる気がするんだ。」

『…』



「あなた。」



『岩泉くん…』

「俺からも頼む。」

「岩ちゃん…」

『え…?』

「コイツ,お前の声を聞き分ける時間が無かった時,物凄く機嫌悪くなるんだ」

『そうなの…?』

「まぁ普通じゃわからねぇけど,サーブの位置がズレたりとか,トスのタイミングが合わなかったりとか」

「ごめんって!」

「だからよ。ちゃんと観て行って欲しい。このクソ野郎の為に,俺達の為に,力を貸して欲しい」

『…ただベンチで観てるだけなのに…?』

「そうです。」

「自然と,やる気が湧くんです!」

「国見…金田一…」

「だから,頼む。」

「及川を,ちゃんとした状態に戻してやってくれ」

「……あなたちゃん。」

『…』

「あなたちゃんは俺にとって,特別なんだ。俺は,君の声じゃなきゃ嫌だ。」

『…』



ちゃんと,"向き合う"って…。



『………徹,後ろ向いて。』

「え?うん。」

『…』




私は徹の背中に額をつけた。




「あなたちゃん…?」

『……しっかりしなよ,キャプテン。』

「!…」

『大丈夫。』

「…」

『このチームなら,勝てる。』

「っ…」

『私が断言する。だから__』

「…」




『行ってきな。』




「……よし。勝つよ。信じてるよ,お前ら‼︎」

「「「ウォォォォッ‼︎‼︎」」」





『全く…』

「及川が佐々木に告白したのは,一年の頃か」

『はい』

「確か,まだ部活志望を選んでいない時だったはずだ。バレー部のマネージャーとかはしなかったのか?」

『…』

「小さい頃から柔道をしていた訳じゃないだろう?」

『……だって,もし私がこのチームのマネージャーになっちゃったら…』

「…」

『徹が私に夢中になって,練習しなくなりますもん』

「……そうか。」

『はい。』






「………絶対に,勝ってやる。」




『勝てるよ,皆。徹。』








それから,彼女さんが試合を観に来た日には

国見が毎回怪我をして,彼女さんに手当てをしてもらい

それを及川さんに見せつけるという,嫌がらせをしていたらしい…。









はい,ハイキューの及川さん Part 2 です!

チッ…このイケメンが…

あの及川さんと岩ちゃんの幼少期のシーン

むっちゃ可愛いかったですよね⁉︎⁉︎

てか2人とも子供の頃からあまり変わらないっていう

って事は,2人とも昔からイケメンだったって事…⁉︎

素晴らしい結論に至ったな。


声優は,私の素晴らしく尊敬する

浪川大輔さんですね。

あの,10年程前に

紀章さんと浪川さんがやった

「縁〜enishi〜」という映画知ってる方いますか?

アクション系なんですけども…

紀章さんと浪川さんはお互い敵なんですね。

で,アクションだから,殴るし蹴るし…

銃とかもいっぱい出てきて,むちゃくちゃカッコいいんですよ…

是非見てみてください!

そして語りましょう‼︎笑

その映画に出てくる浪川さんがまたもう…

カッケェんスよ‼︎‼︎

今のあの,漢字が読めない人とは別人も同然ですよ笑

なんなら


「あれー?鼻からパスタが出てるー」

「チョコボールじゃねぇよ!」


とか珍名言を言った人とは全くの別人です。

(色んな意味で。)









次は,ハイキューの孤爪研磨君の妹設定で書きます。

ハイキュー続きですみません。

お楽しみにー!笑









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