💙ころんside💙
僕は朝一緒に登校しよう…そう…頼んだ
君は快く了承してくれた
これで最後…なんて思っていた…
でも…君の一言で変わった…
君なら譲れるなんて思ってたのに…
僕はなにかを察してあなたの耳を塞いだ
………でも…間に合わなかったみたいだ…
なぜか…時間が遅く感じて…
あなたの驚いた顔が目に映る…
遅かったんだ…僕が…
耳から目の所に手を移動させる
あなたの目の前にかざした僕の手に水滴がつく
………ごめん…また…
また………泣かしちゃった…
あなたがいるからるぅとくんに強く言えなかった…
あなたの耳も塞げれば良かったのに…
僕は…あなたに耳を塞げ…そう言った
力なかった手を…ゆっくり動かした
すごく…震えていて…
すごく…間抜けな顔…
ギャラリーが集まってきた…
そう言って手を引いた
目に溜まる涙を拭っていて…
もう…見てられなかった…
朝のHRの時間…
2人で空き教室に居た…
もう…いいよ…
どれだけ泣き顔を見ればいいの…?
涙がまだ止まらないあなたは下に向けていた顔をこちらに向ける
涙を拭いながら言った
そう…あなたが僕にくれた言葉…
僕の方が幸せに出来た…
泣かせなかった…
なんで僕を選ばないのか分からなかった…
そうだよね…ごめんね…
僕も困らせたよね…
その後…あなたはこう答えた…
僕は…あなたのために尽くすよ…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!