夜───グリフィンドール談話室───
ハリーとロンは顔を見合わせる。
ロンもあなたのことを心配しているようだ。
ハリーは何か言いかけて首を振った。
ハリーとロンは激しく頷いた。
ハリーが言いかけたところで
ハーマイオニーが本でハリーの頭を
バンッ!と叩いた。
叩かれた所を擦りながらハリーは言った。
急に叩かれたハリーを見てあなたは困惑した。
ハーマイオニーは心配そうに言った。
そう言うとあなたは手を振り談話室を出ていった。
だが──
また扉が開いた。
ハーマイオニーは少し呆れ
『世話が焼けるわ』とでも
言いたいかのような顔だ。
ハリーは透明マントを引っ張り出し──
あなたを透明マントへ誘導した。
ハリーとあなたの姿は消え、
何も無い空間からあなたの『行ってきます』
という声が聞こえた。
そしてひとりでに扉が開いた。
(ハーマイオニー達にはそう見えた。)
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そう言ってあなたは透明マントを抜け出した。
すると──ガチャっと音がして──扉が開いた。
あなたは振り返りながら言った。
ドラコは不機嫌な顔をしながら言う。
ドラコは黙りこんでしまった。
───僕だってファーストネーム(ドラコ)で
呼んで欲しいのに───。
あなたに自分より親しい関係がいて
しかもマントのに中に二人っきりというのもあって
ドラコが黙りこまないわけがない。
ハリーはこの場から今すぐ離れたい気分だった。
ハリーはマントに入り、消えた。
男の人の部屋に入るのは初めてで──
(あなたはハリー達の部屋にも入ったことがない。)
──あなたは緊張していた。
ドラコは扉を開けて
あなたが先に入れるよう、促した。
あなたに続きドラコも部屋に入る。
あなたはグリフィンドールとは全く違う
ドラコの部屋にぼうっと見惚れる。
スリザリンの談話室は地下室にあり
──ここはドラコの部屋だが──
そのため、少しひんやりとしていた。
ドラコの部屋もスリザリンカラーの
緑色でまとめられていてグリフィンドールと同じく
大きな天蓋ベッドが窓際にあり、横には
緑っぽいランプが置かれ
ベッドがぼうっと照らされていた。
部屋は少し薄暗く、最初は怖いと感じたが
時間が経つと
落ち着いた空間と感じるようになった。
ベッドの前には机が置かれてあった。
あなたはすぐに、そこで勉強するんだと思った。
(↑作者の想像です。)
と、ドラコはからかうように言う。
また質問だ。
いざ声に出すと実感が湧き、あなたは少し照れる。
あなたの照れ顔を見て
ドラコはすぐに可愛いと思った。
あなたは頬を膨らませてむすっとした顔をした。
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二人が勉強し始めて二時間経過していた。
時はあっという間に過ぎ、もう時計の針は
夜の十時を指していた。
口ではそう言うものの、目を逸らし、
口角は少し上がっている。
あなたに褒められて嬉しいかったのが顔から
溢れだしている。
ドラコの目は少し悲しそうだった。
あなたはもじもじして恥ずかしそうに言った。
相当嬉しかったのか小躍りするあなた。
そう言い、ドラコの顔をじっと見つめるあなた。
ドラコはあなたに見つめられて
さらに顔が赤くなる。
もしかして熱…!?と思ったのか
あなたはドラコのおでこに手を当てる。
ドラコは自分の顔が熱いのであなたの手を
とても冷たく感じてびくっと肩が上がってしまう。
あなたはドラコが大丈夫だとわかって
満面の笑みになる。
あなたは手を振り去っていく。
急に始まって急に終わった勉強会(?)
ドラコとあなたの距離が近づいたのであった。
♡240 ☆150 ありがとうございます!🎉
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。